ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2017.07.28
働き方改革を政府が強力に推進する中、労働時間の削減が急務になっています。その際に、同時に注目されているのが休憩時間などを含む拘束時間です。労働時間と拘束時間の関係や取り扱いについては、業種や勤務形態、あるいは企業独自の慣習などもありますが、トラブルを招かないように、しっかり整理しておくことが重要です。
拘束時間には作業していない時間も含まれます。この作業していない時間を休憩時間か、手待(待機)時間と解釈するかで賃金問題が発生します。解釈の違いによって労働時間が変わるため、賃金などの算出方法が変わり「ただ働き」や「残業代不払い」というトラブルに発展する可能性があるのです。トラブルを未然に防ぐために、拘束時間、労働時間の定義と、休憩時間、手待(待機)時間の解釈について説明します。
拘束時間と労働時間は何が違うのでしょうか。拘束時間は始業時刻から終業時刻までの全時間のことで、休息時間を含んでいます。これに対し、労働時間は業務を行っている時間のことです。つまり、拘束時間から休憩時間を除いた時間のことになり、実労働時間ともいいます。そして休憩時間は、拘束時間の途中で、労働から完全に開放されることが法律で保障されている時間のことをいいます。言い換えれば、心身ともに休憩している時間のことです。
もし作業をしていなくても、電話が鳴れば応対しなければいけない、お客さまの来訪があれば接客をするというような状況は休憩時間と見なされません。このように業務を行っていない時間を、手待時間(待機時間)といいます。手待時間とは、指示があればすぐに作業をしなければいけない時間なので、労働義務を負っていると見なされるのです。手待時間は労働から完全に開放されないので労働時間に加算されます。作業を行っていない時間を手待時間、休憩時間のどちらと解釈するかにより労働時間が変わるので、残業代などの賃金計算では重要なポイントになります。
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本間 由也
こだまや法律事務所 代表弁護士 /税務調査士
1982年生まれ。2004年明治学院大学法学部法律学科卒業、2007年明治学院大学法科大学院法務職研究科法務専攻卒業。翌2008年に司法試験合格。紀尾井町法律事務所での勤務を経て、2011年1月法テラス西郷法律事務所初代所長に就任。2014年2月こだまや法律事務所を東京都国分寺市に開所、現在に至る。
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