ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2017.10.27
1つの会社に勤め続けることが一般的だった時代から、転職が当たり前の時代になっています。転職の際には、1から新しいことを学ぶ必要がない同業種を選ぶケースも少なくないでしょう。そうなると、競合するライバル企業への転職も考えられます。
従業員がライバル企業に転職することを防ぐことはできません。しかし、転職に伴って社内の情報が流出してしまうことは、最小限度に抑えたいもの。企業秘密の流出については、不正競争防止法や著作権法である程度阻止できます。ただ、法律による対応には限界があるので、就業規則にも明記しておくことが必要です。
今回は、従業員の業務上の成果物が会社のものであることを証明して、転職先で使われることを防ぐ対策について紹介します。
最初の対策は、不正競争防止法に基づくものです。不正競争防止法は、不正な方法で営業秘密を取得すること、取得した営業秘密を使用することなどを禁止しています。従業員の作成した資料が不正競争防止法上の営業秘密に該当すれば、その使用に対し差し止めや損害賠償請求、また刑事告訴などの法的な対抗策を取ることができます。
不正競争防止法で「営業秘密」として保護されるためには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。
(1)秘密管理性(秘密として管理されていること)
(2)有用性(営業上または技術上、有用な情報であること)
(3)非公知性(公然と知られていないこと)
流出すると困るような情報であれば(2)と(3)の要件は満たすことが多いでしょうから、問題になるのは(1)です。
(1)の秘密管理性の要件を満たす条件は、企業が秘密として管理している、もしくは客観的にも秘密として管理されている状態です。また、その意思が従業員にも認識されている状態になります。
それを端的にいえば、従業員の作成した資料に何らかのアクセス制限が設けられている状態です。つまり鍵をかけた保管庫やパスワードを設定したデータストレージなどに保存している資料には秘密管理性があるということです。逆に、社内で誰でも閲覧可能な状態に置かれている資料については、営業秘密として保護されないということになります。
\ かんたん入力で登録完了 /
執筆=桑野 雄一郎(studio woofoo)
骨董通り法律事務所 弁護士
早稲田大学法学部卒業後,1993年弁護士登録後,2003年骨董通り法律事務所を設立。弁護士業務の傍ら、法科大学院等において刑事訴訟法及び知的財産法の講義を担当している。
【T】
弁護士が語る!経営者が知っておきたい法律の話