ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2018.12.26
2018年6月13日、成年年齢を20歳から18歳に引き下げることなどを内容として、民法が一部改正されました。改正の趣旨は、主に18歳・19歳の若者が自身の判断によって人生を選択できる環境を整備する点および18歳・19歳の若者の積極的な社会への参加を促し、社会を活力あるものとする点にあるとされています。
改正によって、2022年4月1日時点で18歳以上20歳未満の若者は、その日に成年に達することになります。そのため、改正の影響をまず受けるのは2002年4月2日から2004年4月1日までに生まれた方です。これに対して、2004年4月2日以降に生まれた方は、それぞれの18歳の誕生日に成年に達することになります。
そもそも、民法の成年年齢には、
(1)単独で有効に契約を締結できる年齢
(2)父母の親権に服さなくなる年齢
の2つの意味があります。
以下では、成年年齢引き下げのビジネス上の影響について、(1)(2)の意味ごとに説明します。
(1)単独で有効に契約を締結できる年齢
民法上、未成年者が法律行為をするには、原則として法定代理人(本稿では便宜上、「親権者」とします)の同意が必要であり、同意を得ないでした法律行為は取り消すことができます(民法5条1項、2項)。
そのため、18歳・19歳の若者との間で携帯電話の購入に関する契約を締結した場合、改正前においては、親権者の同意がないことを理由に契約を取り消される可能性があります。しかし、改正後においては、18歳・19歳の若者は成年者として単独で有効な法律行為ができるようになるため、親権者の同意がないことを理由に契約を取り消されることはなくなります(当然のことながら、詐欺や錯誤など、他の取り消し原因がある場合には、当該取り消し原因に基づく取り消しが認められます)。
(2)父母の親権に服さなくなる年齢
民法上、親権者は未成年の子に対して、居所指定権などを有しています(民法821条等)。なお、居所指定権とは、親権者が子の監護・教育のため、子の居所(生活の中心となる場所)を指定する権利のことをいいます。
成年年齢の引き下げにより、18歳・19歳の若者は、自ら賃貸物件のオーナーと賃貸借契約を締結することなどで、自分の居所を自由に決めることができるようになります。
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執筆=福原 竜一
虎ノ門カレッジ法律事務所 弁護士
2009年弁護士登録。企業法務及び相続法務を中心業務とする。主な著作として、「実務にすぐ役立つ改正債権法・相続法コンパクトガイド」(編著:2019年10月:ぎょうせい)がある。2019年8月よりWEBサイト「弁護士による食品・飲食業界のための法律相談」を開設し、食に関わる企業の支援に力を入れている。
https://food-houmu.jp/
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