ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2015.09.10
日本人にとって最も親しみのある山、富士山。環境省の調査によると、登山シーズンである7月上旬~9月中旬(ルートによって違いあり)の短い間に、毎年30万人前後もの人が登っています。本格登山ができる山で、夏にこれだけの登山者を集めるところはほかにありません。でも、それほど多くの人が訪れる山でありながら、登山を趣味とする人の中には富士山にまだ登ったことがないという人も意外にいるのです。
その理由を聞くと「変化が少なくて面白くなさそう」「観光登山の人が多く、雰囲気がほかの山と違う」「激混みしている」など。「富士山は眺める山で、登る山ではない」といわれることさえあります。しかし富士山は、本当に登山対象としての魅力が低い山なのでしょうか?
富士山の標高は言わずとしれた3776m。第2位の北岳(山梨県)は3193m、第3位は奥穂高岳(長野県・岐阜県)と間ノ岳(山梨県・静岡県)が同じ標高で3190m、第5位の槍ヶ岳(長野県・岐阜県)は3180mです。2位と3位の差がわずか3m、3位と5位の差が10m、2位以下はいずれも僅差。それに比べ、富士山と北岳の差は583mもあります。富士山が日本の山の中で、ダントツに高いのが分かるしょう。富士山は標高において、まさしく揺るぎない日本一の山なのです。
しかも富士山は独立峰で、近くに高い山がありません。登るごとに展望が開け、足元には登ってきた登山道と、大きく広がる裾野のはるか向こうに町や、山並みが見渡せます。その開放感にあふれた景色はほかの山では味わえないでしょう。富士は、昔は不二とも書かれていたといわれますが、現代に至ってもなお唯一無二の山なのです。
富士山の魅力といえば、誰もが思い浮かべるその美しさ。蝦夷富士(羊蹄山)、出羽富士(鳥海山)、伯耆富士(大山)、讃岐富士(飯野山)、薩摩富士(開聞岳)など日本各地に「ふるさと富士」といわれる、富士山になぞらえた山が数多くあります。郷土の山を富士山に見立てるほど、日本人に浸透した「美」の対象です。…
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執筆=小林 千穂
山岳ライター・編集者。山好きの父の影響で、子どもの頃に山登りをはじめ、里山歩きから海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、フリーのライター・編集者として活動。『山と溪谷』など登山専門誌に多数寄稿するほか、『女子の山登り入門』(学研パブリッシング)、『DVD登山ガイド穂高』(山と溪谷社)などの著書がある。現在は山梨で子育てに奮闘中。
【T】
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