梅雨時から夏にかけては、室内外の温度差による自律神経の乱れも相まって、体内の水分やミネラル分が消耗し、疲労感やだるさ、集中力の低下などの不調に悩まされやすくなります。そこで今回は、体内の働きを活性化するのに欠かせない食材に焦点を当て、時間をかけずに手軽に栄養バランスを整えたいときに役立つ、“粉末”を使ったレシピなどもご紹介します。いつもの食事に“ちょい足し”するだけで取り入れられますから、暑い時期にキッチンで長時間火を使う料理をしたくない……という場合にもオススメです。
アオノリ
風味を楽しめるだけでなく、疲労回復に役立つビタミンB群や腸内環境を整える食物繊維、カルシウムなどのミネラルを含むアオノリは、ちょい足し界の名バイプレーヤーです。焼きそばやお好み焼きなどには欠かせないトッピング食材ですが、混ぜご飯やおにぎり、卵焼きの具材、炒めもの、磯辺揚げなど、アイデア次第で活躍の場が広がります。例えば卵焼きの具材として活用すれば、彩りも風味も、栄養価もアップできます。
【しらすとアオノリの卵焼き】
<材料/卵3個分>
・卵……3個
・しらす……大さじ1
・アオノリ……小さじ1.5
・水……大さじ2
・サラダ油……適量
(1)卵をボウルに割って溶きほぐし、しらすとアオノリを入れて混ぜ合わせる
(2)卵焼き用のフライパンにサラダ油を入れ、予熱する
(3)3回程度に分けて卵液を流し込んで成形しながら火を通して出来上がり
ごぼう茶(茶殻)…
腸内環境を改善し、便通を良くする働きのある食物繊維が豊富な食材として知られるゴボウには、むくみ予防に役立つカリウムや、老化への予防効果が期待できるポリフェノールが豊富です。ゴボウを皮ごと乾燥させて作られた「ごぼう茶」は、お湯や水で抽出すれば手軽にその栄養素を取り入れられるため、ゴボウの食感が苦手な方や、アク抜きやささがきなどの調理の手間を省きたい場合にうってつけです。ごぼう茶の茶殻は捨てずに料理に活用して、ゴボウの栄養成分を逃さず取り入れましょう。しっかりと風味付けしたい場合は、茶殻でなく、ごぼう茶そのものを使用してもOKです。
【ごぼう茶殻入り炊き込みご飯】
<材料/2合分>
・米……2合
・ニンジン……2分の1~1本
・シメジ……2分の1~1パック
・油揚げ……1枚
・ごぼう茶の茶殻……ティーバッグ2つ分
・白だし……大さじ4
<作り方>
(1)米をといで水を切る
(2)ニンジン、シメジ、油揚げを細切りにする
(3)シメジの石づきを除いてほぐす
(4)炊飯器にといだ米と白だしを入れて合計で2合分になるように水を加え、さっと混ぜる
(5)米の上に(2)(3)とごぼう茶の茶殻を乗せて炊く
(6)炊き上がったら具材が均一になるようにさっくりと混ぜて出来上がり
粉末納豆
細胞の主な原料となるたんぱく質とその消化・吸収や代謝を助けるビタミン・ミネラル、血液をサラサラにする働きのある納豆キナーゼなど、疲労回復に役立つ栄養素が豊富な納豆は、夏バテ防止やスタミナ強化にうってつけの食品です。一方で、食わず嫌いの人や、どうしても苦手という人がいるのも納豆の特徴かもしれません。そんな人にオススメしたいのが、納豆をフリーズドライ製法で粉末状にした「粉末納豆」です。独特のにおいや粘りを抑えたものもあるので、これを機に納豆にトライしてみてください。
「粉末納豆」は、ふりかけの要領でご飯に乗せたり、ノリの上にご飯と粉末納豆を乗せて納豆巻きにしたり、ヨーグルトや味噌汁、カレーなどに混ぜ込んで、納豆そのものと同じ風味やうま味を楽しめます。朝食のトーストに乗せれば、朝から豊富な栄養素を手軽に吸収できます。
【粉末納豆トースト】
<材料/トースト1枚分>
・食パン……1枚
・粉末納豆……小さじ1
・とろけるチーズ……適量
・お好みで小口ネギ、刻みノリなど……適量
<作り方>
(1)とろけるチーズで食パンのトースト面全体を覆う
(2)粉末納豆を乗せ、お好みで小口ネギ、刻みノリなどもトッピング
(3)オーブントースターでこんがりと焼き色が付くまで焼いて出来上がり
毎日一汁三菜を……と考え始めると大変かもしれませんが、「粉末納豆」のように後から“ちょい足し”する方法なら、テークアウトやデリバリーの料理でも必要な栄養素を補えます。“ちょい足し”食材を上手に活用して、日々の食事から暑さに負けない体づくりをスタートしましょう。