年末年始の忙しさが落ち着いて、ビジネスシーンもようやく“平常運転”に。新幹線を帰省や観光で利用する人の姿が目立って少なくなり、車内も落ち着きを取り戻します。そんな2月頃は、静かな車内を休息の時間に充てることはもちろん、移動オフィスとしての活用にも、もってこいの時期だといえます。そうした時期に、ぜひお勧めしたいのが「グリーン車」の利用です。今回は、自分へのご褒美にもなるグリーン車のお得な利用術をお伝えします。
広々座席がグリーン車の魅力
東海道新幹線では、「のぞみ」「ひかり」「こだま」共通で、3両(8号車から10号車)のグリーン車が連結されています。
車内の座席配置は、2列+2列の4列。2列+3列で5列の普通車よりも座席の幅が広く、ゆったりと腰掛けられます。座席の前後間隔も、116センチと長め。普通車では104センチですから、足を伸ばす場所にも困りません。
主力の「N700系」車両では、「座面と背もたれが連動してスライドし、一番快適な体勢のまま身体を傾けることができる」(JR東海)というシンクロナイズド・コンフォートシートを採用。リクライニングに連動して座面も沈み込ませることで、優れた座り心地を提供しています。
従来の車両では、前の座席との間隔が広い理由から手元が遠くなり、やや使いにくいときもあった背面テーブルも、テーブル面を少し手前へ引き出せるようになって使い勝手が良くなりました。肘掛けにコンセントが新設されたのも、ビジネス利用ではうれしいポイントです。
エクスプレス予約でグリーン車に乗ろう…
グリーン車の利用には「グリーン料金」を別途支払う必要があります。料金は、新大阪・東京間で5300円。例えば新大阪駅みどりの窓口で「東京まで、のぞみ普通車指定席」を購入した場合、普通車利用の1万4450円(閑散期・繁忙期除く)が、グリーン車利用では1万9230円(通年)になります。
足し算が合わないのは、グリーン車の利用で特急料金が520円安くなることが理由で、実際は4780円のプラスになります。とはいえ、やはり5000円近くの額に、二の足を踏みたくなるかもしれません。
そこでお勧めしたいのがエクスプレス予約の活用です。何度かご紹介している、この会員制ネット予約サービスを使えば、普通車・グリーン車共にお得な運賃・料金で利用できます。
エクスプレス予約なら、新大阪・東京間のグリーン車利用額は「のぞみ」で1万8140円。みどりの窓口で購入するより1000円ほど安く、同じく窓口で購入する「のぞみ普通車指定席」との比較では3690円のプラスで済み、利用のハードルもかなり低くなるといえます。
さらにエクスプレス予約では、乗車する駅を朝6時台に発車する「のぞみ」と終日の「ひかり」に限り、IC早特(タイプB)という商品も発売しています。なんと、この商品では新大阪・東京間のグリーン車利用額が1万4400円になります。みどりの窓口で購入する「のぞみ普通車指定席」よりも50円安いのですから、もはや破格値といってよいでしょう。ただし予約は、乗車日の3日前までに済ませておく必要があります。
「こだま」利用は、さらに格安
エクスプレス予約では「こだま」全列車のグリーン車を対象に、こだま☆楽旅IC早特という商品もあります。
この商品では、新大阪・東京間のグリーン車利用額が1万1200円。発着の多い「のぞみ」の所要時間約2時間30分に対し、本数が少なく4時間以上かかってしまうデメリットはあるものの、車内を「移動オフィス」と割り切るなら利用価値は十分です。
こちらの予約も3日前まで。ただし「こだま」には700系車両が使われるケースがあり、その場合には座席の仕様が一部異なることに注意しましょう(違いはこちらのシート解説を参照)。
エクスプレス予約で新幹線を予約すると、もれなく普通車指定席と同額でグリーン車を利用できるポイントがたまります。ポイントが一定額に達すると、特典用のグリーン席が予約できるようになります。年間通じて利用していれば、そこそこのポイントがたまるはず。ポイントには有効期限がありますので、自分へのご褒美に、たまったポイントを無駄にせずグリーン車で快適な旅を楽しみましょう。
※掲載している情報は、記事執筆時点(2015年12月)のものです