ゴルフエッセー「耳と耳のあいだ」(第2回)シニアプレーヤーに「変化への対応力」を学ぶ

スポーツ

公開日:2015.09.17

  • PDF PDF
  • ボタンをクリックすることで、Myクリップ一覧ページに追加・削除できます。追加した記事は、「Myクリップ」メニューからいつでも読むことができます。なお、ご利用にはBiz Clipに会員登録(無料)してログインする必要があります。

 8月20日からノースカロライナ州で開催された米国男子レギュラーツアー「ウィンダム選手権」は、特別な注目を集めた大会となりました。若手選手を抑えて優勝した51歳のデービス・ラブIII(三世)選手(米国)のプレーに、勇気づけられた視聴者・観戦者は多くいたに違いありません。

 米国ゴルフツアーでは50歳を超えたプレーヤーはレギュラーツアーではなく、チャンピオンズツアーと呼ばれるシニア競技に主戦場を移すのが一般的です。そうした中で、シニアプレーヤーがレギュラーツアーの優勝という結果を出した「変化への対応力」には驚嘆するばかりです。

選手の形相が変わる「ウィンダム選手権」

 特に「ウィンダム選手権」は参加選手の形相が変わる特別な試合です。来季のシードと次週からの「プレーオフシリーズ」参戦への権利をかけたランキング(フェデックスランク)が決定される最終戦だからです。シードのボーダーラインにいる選手や、参戦の権利に可能性の残っている選手にとっては“運命の一戦”ということで、混戦は必至でした。

 また、この試合に衆目が集まったもう1つの理由が、タイガー・ウッズ(米国)の復活優勝なるかという点。スキャンダルに加え、ケガ続きで低迷していたタイガーが首位と2打差の2位で最終日を迎えており、2013年以来の優勝、ツアー通算80勝目なるかが注目されていたのです。

 結果は10位タイに終わるも、さまざまな経験を経てひと皮むけたタイガーが、彼らしさを失うまいと必死に“39歳の自分探し”をしてもがいている姿は、とても好感が持てました。そんな試合で勝利の女神が微笑んだのがデービス・ラブIIIでした。

 デービス・ラブIIIは、90年代後半から2000年代にかけて大活躍した選手です。最近では試合に参戦するかたわら、ナショナルチームの名誉職を担ったり運営に関わったりして、ゴルフ界を盛り上げる活動を楽しんでいるそうです。

 最後の優勝は2008年、今回は実に7年ぶりの美酒ということになります。この間の道のりは厳しいもので、前回の優勝から成績は下降の一途。チャンピオンズツアーに入っても勝利に恵まれず、今春には右足の手術により引退の危機に陥りました。それを必死のリハビリで乗り越えてつかんだ優勝でした。

変化への対応力があるからこそプレースタイルが変わらない…

続きを読むにはログインが必要です

\ かんたん入力で登録完了 /

会員登録3つのメリット!!

  • 最新記事をメールでお知らせ!
  • すべての記事を最後まで読める!
  • ビジネステンプレートを無料ダウンロード!

【T】

「スポーツ」人気記事ランキング

連載バックナンバー

ゴルフエッセー「耳と耳のあいだ」

オンラインセミナー動画

  • 新着記事

配信期間

2024年10月24日(木)~2024年11月29日(金) 

セキュリティ関連

セキュリティコンサルタントが解説!いま企業がとるべきサイバー攻撃対策とは

配信期間

2024年9月2日(月)~2025年3月31日(月)

カーボンニュートラル関連

カーボンニュートラル実現への第一歩~温室効果ガスの可視化・削減の最新動向と具体事例~