ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2017.02.10
ゴルフというスポーツには、他のスポーツにはないある特徴があります。それは、ライバルを応援するという要素です。例えば、同伴プレーヤーが林に打ち込んだら一緒に探したり、良いプレーをしたら「ナイスショット!」と声を掛けたりします。また、相手が嫌がることや、プレーの妨げとなるような行為は絶対にタブーです。
一方、他のスポーツ、特に点を取り合うスポーツにおいては、競う内容こそ異なりますが、基本的にはいかに相手に不利なことをし、自分が有利にゲームを進めるかを競います。テニスならば、相手が打ち返せない所にボールを打ち、相手のミスを誘い、自分に有利なシーンをつくっていきます。試合中に、相手のプレーを手助けしたり、プレー中に相手のプレーを喜んだり、たたえたりすることはないでしょう。
その点でゴルフは、加点を競う足し算のスポーツではなく、ミスを減らして少ない打数を競う引き算のスポーツです。だからこそ、お互いを励まし合う心が生まれるのかもしれません。
このようにゴルフは、相手も良いプレーができるよう計らいつつ、自分も最高のプレーをしようと努力するスポーツです。そして時には、対戦相手をも応援するスポーツといえるでしょう。
またゴルフには、自分とは全く関係のない後続組のことも配慮して行動するという一面もあります。自分が打った後のバンカーをキレイにならしたり、ターフ*1をディボット*2に戻して目土*3したりする行為などがそれに当たります。これらの行為は決して自分のプレーのためにやることではなく、後続組やコースのメンテナンスを考えてのものです。
これらもろもろの行動を考えると、他者を思いやるスポーツがゴルフ、ともいえます。ラウンドしているゴルフプレーヤーは自身のプレー以外に、同伴者や後続組、コース全体にとって何が好ましいかを常に念頭に置いて行動することが求められているのです。
*1 ターフ:ショットで削り取った芝生
*2 ディボット:ショットでターフを取ったことでできた穴
*3 目土:ディボットを砂で埋めて修復すること
ゴルフのように、自分のことだけでなく全体にとって何が最適なのかを考える行動習慣は、ビジネスにおいてとても大切です。自分のことばかり主張したり、自分優先で物事を考えたりしていると、必ず何らかの弊害が生じます。そうなると、同僚や部下はもちろん、取引先からも信頼されなくなるでしょう。
自分のグループや部門のことだけでなく、会社全体における「最適」を考え、さらには自社が属する業界やそれを取り巻く社会にとって好ましい姿は何かを考えて行動すること。それができたなら、上司や経営陣からも信頼され、財産ともいえる貴重な人材だと認められるに違いありません。
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執筆=小森 剛(ゴルフハウス湘南)
有限会社ゴルフハウス湘南の代表取締役。「ゴルフと健康との融合」がテーマのゴルフスクールを神奈川県内で8カ所運営する。自らレッスン活動を行う傍ら、執筆や講演活動も行う。大手コンサルティング会社のゴルフ練習場活性化プロジェクトにも参画。著書に『仕事がデキる人はなぜ、ゴルフがうまいのか?』がある。
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ゴルフエッセー「耳と耳のあいだ」