ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
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公開日:2019.07.16
ゴルフのルールが大きく改正されて約半年が過ぎました。最も目立って変わった点が、グリーン上でピンをカップに立てたままカップインさせることが可能になったことでしょう。プロゴルフトーナメントのテレビ中継でも、カップにピンを刺したままパッティングするシーンをよく目にするようになりました。当初は少々戸惑いましたが、人はすぐに慣れるものですね。ゴルファーの読者も、そろそろ新しいルールになじんできた頃ではないでしょうか。
実は、今回のルール改正をひもとくと、今ゴルフ界が抱えている問題と、これから求められるゴルファー像が見えてきます。
かつて、ゴルフのルールは、4年に1度オリンピックの開催年に見直されるのが常でした。ところが今回は、2020年の1年前倒し、2019年に新ルール施行となりました。というのも、内容的にとても大きな改正であり、かつ今度の東京オリンピックで混乱しないようにという意思が働いたようです。
今回のルール改正のポイントは次の4つです。改正の背景には、ゴルフ人口が世界的に減少しているという問題があります。
(1) ルールの簡素化
(2) プレー時間の短縮
(3) 規制緩和
(4) 自己自律の強化
ルール改正について詳しく知りたい方はJGA(日本ゴルフ協会)のページ「ゴルフ規則」を参考にしてください。ここでは、上記のポイントについて順を追って紹介します。
まず、ルールの簡素化ですが、これまでは、ゴルフのルールが難解で初心者には覚えにくいという問題がありました。「ゴルフはルールが難しい」「とっつきにくい」「ルールにうるさく疲れる」などの声を解消し、初心者がゴルフに参加しやすい環境をつくるという狙いがあります。
簡素化されたルールの例としては、ハザードやウォーターハザードという言葉がなくなり、ペナルティーエリアという名称に変わった点が挙げられます。詳細は割愛しますが、そこにボールが入った場合の処置の仕方も簡素化されました。ベテランゴルファーにとっては長年慣れ親しんだ名称が変わるのは戸惑いを感じるかもしれませんが、初心者にとっては処置の仕方がより理解しやすくなったといえるでしょう。
また、バンカー内から「2打罰でバンカー外(後方延長線上)にドロップできる」という処置も、初心者に優しいルール改正です。昨年までは、バンカー内におけるアンプレヤブルの3つの処置はあっても、バンカー内からバンカー外へのドロップは違反行為でした。バンカーからなかなか脱出できない初心者にとってはうれしいルール改正といえるでしょう。
2番目のプレー時間の短縮も、ゴルフ人口の減少に歯止めをかける狙いがあります。ゴルフをやらない理由の1つに「ゴルフは丸1日かかり手軽にできない」が挙げられているからです。ゴルフ改正に関わっている組織の1つ、USGA(米国ゴルフ協会)では、「ゴルフは時間とお金がかかる」という負のイメージを払拭するため、「PLAY9」という施策を打ち出しています。9ホール(ハーフラウンド)のみのプレーを推奨し、短い時間で費用も安く、手軽にゴルフを楽しんでほしいというものです。
具体的には、子どもが学校から帰宅した後、家族でゴルフを楽しむといったプレースタイルをイメージしているようですが、とても良い取り組みではないでしょうか。また、PLAY9は、体力的に18ホールはキツイという高齢者にもマッチしているプレースタイルです。さらに、午前中はオフィスで仕事をし、午後からゴルフをしながら取引先と商談するという新しいビジネススタイルが、PLAY9で普及するかも知れません。PLAY9が日本でも広がってくれればよいと思います。
話が少々横道にそれましたが、プレー時間短縮に関する主なルール改正には、次のようなものがあります。
・自分が打つ番になってから40秒以内で打つ
・ピンからの距離に関係なく打てる人から打つ/通称:レディー(ready)ゴルフ
・グリーン上からカップにピンを立てたままパッティングができる(ピンを抜きに行く時間を短縮)
・紛失球の捜索時間は5分から3分に短縮
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執筆=小森 剛(ゴルフハウス湘南)
有限会社ゴルフハウス湘南の代表取締役。「ゴルフと健康との融合」がテーマのゴルフスクールを神奈川県内で8カ所運営する。自らレッスン活動を行う傍ら、執筆や講演活動も行う。大手コンサルティング会社のゴルフ練習場活性化プロジェクトにも参画。著書に『仕事がデキる人はなぜ、ゴルフがうまいのか?』がある。
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