ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
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公開日:2019.10.08
ビジネスにおいて「コミュニケーション」はとても重要です。ビジネスのトラブルの多くは、コミュニケーション不足が原因といっても過言ではないでしょう。ゴルフにおいても、コミュニケーションはとても重要です。野球やサッカーのような団体競技でコミュニケーションが重要なのは分かるが、個人競技であるゴルフでなぜ?……と思われるかもしれません。今回は、ゴルフに求められるコミュニケーション能力についてお話したいと思います。
「レディ・ゴルフ(Ready Golf)」というルールがあります。「Ready」とは英語で、用意ができたとか、準備完了といった意味です。つまり、「ボールの位置(ピンからの距離)に関係なく、打つ準備ができている人から打つ」というプレーを奨励しようというもので、今年施行されたルール改正の1つです。
もともと、「遠球先打」、つまりボール位置がピンから遠い人が先に打つという原則があります。ゴルフでは打つ順番によって、ピンまでの距離や風の向きや強さなどプレーを左右する状況を察知できるため、後から打つ方が有利になることが多くなります。そのため、「遠球先打」で打つ順番を明確にしました。この原則は今でも残ってはいますが、それはあくまで原則であり、そのことに縛られず、打つ準備ができている人からどんどん打ち、速やかなプレーを心掛けましょうというものがレディ・ゴルフです。
ここで求められるのが、同伴競技者とのコミュニケーションです。打つ順番が「遠球先打」で明確になっていた昨年までと違って今年からはレディ・ゴルフを優先するため、誰が先に打つのか意思疎通しながらプレーしなければいけません。例えば、ピンから遠いのはAさんのボールだが、Aさんはクラブ選択に迷っている様子でまだ打とうとしない。自分が先に打つべきなのか、Aさんが打つのを待つべきなのか……といったケースでは、Aさんとのコミュニケーションが必要になります。
Aさんが近くにいて、声をかけられる状況であれば、「私が先に打ちましょうか?」と言葉によるコミュニケーションで、Aさんの意思を直接確認することができます。しかし、Aさんが遠く離れていたり、他の人が打とうとしていたりで声を出すことがままならない場合は、お互いの行動や周囲の状況を鑑みながら、自分が先に打つべきなのか、待つべきなのかを判断する必要があります。
先の例を続けると、「Aさんはまだクラブに迷っているから、ここは自分が先に打った方がよいな」とか「Aさんはクラブを決めたようだ。ここはAさんが打つのを邪魔しないよう待った方がよいな」といったとき、判断を誤ると、自分が先に打つことでAさんのプレーを妨げてしまったり、必要以上にAさんのプレーを待つことでスロープレーを誘発したりといった結果を招いてしまいます。
つまり、円滑なプレーの進行には、自分勝手な判断をするのではなく同伴競技者のことを考えた意思疎通がとても重要になります。そしてその手段として、時には言葉だけではなく、行動やしぐさで意思を示すボディーランゲージも必要になるでしょう。
先ほどのケースとは逆に、自分がAさんの立場だった場合を考えてみましょう。自分のボールがピンから一番遠くにあれば、本来は自分が先に打たなければなりません。しかしクラブ選択に時間がかかり、まだ打つ準備に入れません。同伴競技者のBさんを見ると、すでに打つ準備ができている様子。この場合、「Bさんすみません、先に打ってもらえませんか」と言葉で自分の意思を伝えましょう。言葉で伝えることができない状況であれば、ジェスチャーやアイコンタクトなどのボディーランゲージで「お先にどうぞ」を察してもらえるよう努めるべきでしょう。
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執筆=小森 剛(ゴルフハウス湘南)
有限会社ゴルフハウス湘南の代表取締役。「ゴルフと健康との融合」がテーマのゴルフスクールを神奈川県内で8カ所運営する。自らレッスン活動を行う傍ら、執筆や講演活動も行う。大手コンサルティング会社のゴルフ練習場活性化プロジェクトにも参画。著書に『仕事がデキる人はなぜ、ゴルフがうまいのか?』がある。
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