ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
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公開日:2020.11.24
女子プロゴルフ界において、昨年、全英女子オープンを1998年生まれの渋野日向子選手が制したのを皮切りに、最近は非常に若い選手の活躍が目覚ましいと感じます。特に、98年度生まれの世代は「黄金世代」と呼ばれ、ゴルフ界で注目を集めています。そして、今年はコロナの影響で多くの大会が中止になる中、さらにその下の「プラチナ世代」と呼ばれる2001年生まれの笹生優花選手(19歳)が2週連続優勝を飾り、日本女子プロゴルフ協会(以下略、JLPGA)ツアー競技で年間賞金ランキングの首位に立っています(10月18日時点)。これら若い選手の活躍の裏には、ゴルフ環境の変化と組織的な取り組みがありました。今回は女子プロゴルフを通じて、若い世代が活躍するための要件について考えてみたいと思います。
20歳前後の若い女子プロが活躍している背景には、まず、ゴルフのプレースタイルの変化が挙げられます。かつての女子プロゴルフトーナメントでは、ボールを曲げたり、スピンをかけてグリーン上で止めたり、引いたり(バックスピンをかけてボールを戻すこと)といったテクニックにたけている選手でなければなかなか勝てませんでした。しかしここ数年、ゴルフのプレースタイルがシンプルに変化してきています。第1打はフェアウエーの真ん中に打っておき、グリーンを狙うショットでは無理をせず真ん中辺りに乗せておき、あとはパッティング勝負……。
こうしたプレースタイルの変化をもたらしたものは、ボールとクラブの進化です。かつてのボールとクラブは、ダウンブローに打ち込み、かつ腕をロールさせるなどのテクニックがなければ球は上がらず、距離も出ませんでした。テクニックが必要であったため、ある程度経験を積んだベテラン選手でなければ、なかなか勝つことができなかったわけです。
それが、ボールとクラブがここ数年で劇的に進化したため、そのようなテクニックが不要となり、シンプルに真っすぐ打ち、シンプルにグリーンを狙うスタイルに変わっていきました。高度なテクニックがなくとも、体力があって飛距離が出せる選手が有利になり、トーナメントで若い選手が活躍するようになったのです。
黄金世代やプラチナ世代が活躍する要因の2つ目が、試合環境の変化です。JLPGAが若手ゴルファーの育成を図るため、2001年にアマチュア(主に学生)のトーナメントへの出場制限を撤廃。トーナメントを主催する企業の「主催者推薦」という枠で、有望な多くの学生ゴルファーに出場の機会が与えられるようになりました。今年からはその出場枠に8試合までという上限が設けられたものの、多くの有望選手がプロ入りする前から多くの試合に出場できるようになったのです。
2014年、当時高校1年生だった勝みなみ選手が女子プロのトーナメントでアマチュアでありながら優勝を果たし、翌2015年には年間15試合、2016年には年間23試合出場しています。これはプロ入り前のことです。彼女は高校卒業後の2017年にプロ入りしました。つまり今、黄金世代やプラチナ世代と呼ばれて注目されている選手たちはプロ入りしてから強くなったのではなく、プロ入りする前からプロのトーナメントに出場し、試合経験を十分積んでいるからこそ、プロ入りして即活躍できているという見方ができるのです。
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執筆=小森 剛(ゴルフハウス湘南)
有限会社ゴルフハウス湘南の代表取締役。「ゴルフと健康との融合」がテーマのゴルフスクールを神奈川県内で8カ所運営する。自らレッスン活動を行う傍ら、執筆や講演活動も行う。大手コンサルティング会社のゴルフ練習場活性化プロジェクトにも参画。著書に『仕事がデキる人はなぜ、ゴルフがうまいのか?』がある。
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