ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2021.06.28
コロナ禍においてゴルフがちょっとしたブームになっているようです。業界誌を読むと、広々とした屋外でプレーするゴルフは3密を回避でき、感染症対策さえ守れば安全にプレーできると認識されたことがその要因と分析している様子。さらに、キャディーを付けないセルフプレーや、ハーフで昼食休憩を挟まないスループレーの導入が進み、格安かつ時短でプレーできるゴルフ場が増えてきました。徐々に若年層の参入が増えていることもブームの後押しになっていると考えられています。
ゴルフ場利用者数は、2020年4~5月の緊急事態宣言中は、さすがに対前年同期比で35%減(580万人減)と大幅に落ち込んだものの、同年8月の対前年比では18%増(126万人増)に転じ、同様に10~12月の3カ月間でも100万人程度の増加となっている(※1)。
練習場の利用者数もゴルフ場と同様に増加の傾向にあるようです。関東エリアの約50施設の対前年同月比の推移を見ると、2020年は10.3%増となりました。2021年に入ってもその傾向は下がらず、1月は11.4%増、2月は10.0%増で推移しています(※2)。
松山英樹選手のマスターズ優勝や笹生優花選手の全米女子オープン優勝が、このゴルフ人気に拍車をかけているようです。ゴルフをする人が増えて業界が活気づくのは良いことですが、一方で、私はこのブームに危機意識を持っています。なぜなら、ブームは一過性で決して長くは続かず、勢いのあるときには意外な落とし穴が潜んでいるものです。ゴルフプレーを例に考えてみましょう。
※1:月間ゴルフ・エコノミック・ワールド 2021年5月号 P60 を参考
※2:同誌P82 関東ゴルフ練習場連盟提供の表から数字を参考
比較的高い確率で真っすぐなボールが打てる人は、ボールが曲がったときのリスクを考えずにコースを攻めているケースが多いです。しかしながら、プロでも上級者でも100%ボールを曲げずに打てるという人はまずいません。よって、リスクを想定せずにコースを攻める人は、ボールが予想しない方へ飛んでいって大たたきする結果となります。逆に、ボールがよく曲がるという課題を抱えている人は、慎重故に大きなミスをすることなく、スコアをまとめることができます。
スライス(右に曲がるショット)が多いプレーヤーなら、ティイングエリアの右端にティアップし、フェアウエーの左サイド、もしくは左のラフを狙ってコースを狙って攻めていくでしょう。コースを対角線上に斜めに利用するためプレーエリアを広く使うことができ、多少曲がってもフェアウエーをキープする確率が高まります。想定以上に大きく曲がってしまっても、せいぜい右ラフぐらいで止まってくれます。つまり「ボールが曲がる」という問題点を、攻め方の工夫で克服しているわけです。
バンカーが苦手という問題を抱えている人は、バンカーを徹底して避けるよう攻め方を工夫します。一方、なまじバンカーに自信がある人はバンカーへの警戒心が希薄です。バンカー越えでピンをデッドに狙うなど無謀な攻め方をして難しいバンカーに捕まり、結果大たたきをしてしまいます。
めったにボールは曲がらない、バンカーなんて怖くない、といった過信や慢心がある人は、努力や工夫を怠り、油断を生み、好ましくない結果を招きやすくなります。一方、ボールが曲がる、バンカーは苦手といった問題を抱えている人は、それ相応に攻め方の工夫をするため、良い結果を得られる確率が高まるでしょう。何より、課題意識を抱えている人ほど、向上心と練習意欲のモチベーションが旺盛です。その結果、自身の成長(ゴルフの上達)につながるわけです。
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執筆=小森 剛(ゴルフハウス湘南)
有限会社ゴルフハウス湘南の代表取締役。「ゴルフと健康との融合」がテーマのゴルフスクールを神奈川県内で8カ所運営する。自らレッスン活動を行う傍ら、執筆や講演活動も行う。大手コンサルティング会社のゴルフ練習場活性化プロジェクトにも参画。著書に『仕事がデキる人はなぜ、ゴルフがうまいのか?』がある。
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ゴルフエッセー「耳と耳のあいだ」