ゴルフエッセー「耳と耳のあいだ」(第72回)全米女子オープンを制した笹生選手に学ぶ

スポーツ

公開日:2021.07.21

  • PDF PDF
  • ボタンをクリックすることで、Myクリップ一覧ページに追加・削除できます。追加した記事は、「Myクリップ」メニューからいつでも読むことができます。なお、ご利用にはBiz Clipに会員登録(無料)してログインする必要があります。

 2021年7月29日からは、いよいよ東京2020大会のゴルフ競技が開幕します。男子の日本代表はマスターズを制した松山英樹と星野陸也の2選手。女子の日本代表は畑岡奈紗と稲見萌寧の2選手。畑岡奈紗選手と全米女子オープンでプレーオフにもつれ、優勝の栄誉を手にした笹生優花選手は、生まれ故郷のフィリピン代表として参加します。今年は本当にゴルフ界が沸いていて、5選手とも、その活躍が期待されています。

 注目したいのは、最年少の笹生選手。先日の全米女子オープンは、史上初の日本人同士によるプレーオフ、笹生選手の最年少優勝タイ記録(19歳11カ月17日)など見どころの多いゲームでした。笹生選手の快挙の要因は何なのかと考えていて「これから夢をかなえたい!」「世界に大きく羽ばたきたい!」という人が成功するのに必須のポイントが4つ見えてきました。今回はゴルフ指導者の立場から、それらを紹介したいと思います。

夢をかなえるための第1条件

 笹生優花選手は、日本人の父とフィリピン人の母との間に生まれ、日本とフィリピン両方の国籍を持っています。生まれはフィリピン、4歳で日本に移り住んだそうです。父親のゴルフ練習について行ったのがゴルフとの出会いだったとか。全米女子オープンをテレビで見てゴルフに憧れ、8歳の時に「(ゴルフの)プロになって世界一になる!」と決意したそうです。

 中学生になった彼女がスイングの手本にしたというのが、女子プロではなく男子プロのローリー・マキロイ選手。子どもの思いに応えたいという父親の指導の下で、体幹や下半身の強化に取り組みました。その結果、今期(2020-2021)の国内女子ツアーでドライビングディスタンス(ドライバーの平均飛距離)が262ヤードとトップに立っています。

 ここまでの経歴で、夢をかなえるポイントが2つ見えてきます。1つは早い時期から「世界一」という明確な目標を掲げていること。「世界一」とまでは言わないまでも、夢や目標を持つことは、人生において進むべき道しるべとなります。千里の道も一歩から、まずは達成できそうなゴールを設定し、そこに向かって歩き出してみましょう。夢をかなえるためには夢を持つことなんて逆説的ですが、実はこれが最も基本で、かつ大切なことではないでしょうか。

 もう1つが、自身の「強み」を徹底的に磨いている点です。彼女の強みは鍛え抜かれた心身と飛距離にあり、その強みを徹底的に伸ばす努力をしてきたことが今期の好調に表れているように思います。「世界一になる」という信念と、強みを磨く努力を欠かさないこと、これらが全米女子オープンを制した大きな要因であることは間違いないでしょう。

 夢や目標は、ビジネス目線で「社是」や「ビジョン」、「事業コンセプト」などと言い換えることができます。業績が伸び悩んでいる会社は、この根幹がブレていないか見直してみてください。そして、その夢や目標と自社の強みが合致しているか、同じベクトルで組織が仕事をしているかを検証してみましょう。ゴルフもビジネスも共通して、“大なり小なり目標を見定めること”と“強みを伸ばす努力を続けること”、この両輪が夢をかなえる第1条件だと私は思っています。

活躍する可能性を広げた“語学力”…

続きを読むにはログインが必要です

\ かんたん入力で登録完了 /

会員登録3つのメリット!!

  • 最新記事をメールでお知らせ!
  • すべての記事を最後まで読める!
  • ビジネステンプレートを無料ダウンロード!

執筆=小森 剛ゴルフハウス湘南

有限会社ゴルフハウス湘南の代表取締役。「ゴルフと健康との融合」がテーマのゴルフスクールを神奈川県内で8カ所運営する。自らレッスン活動を行う傍ら、執筆や講演活動も行う。大手コンサルティング会社のゴルフ練習場活性化プロジェクトにも参画。著書に『仕事がデキる人はなぜ、ゴルフがうまいのか?』がある。

【T】

「スポーツ」人気記事ランキング

連載バックナンバー

ゴルフエッセー「耳と耳のあいだ」

オンラインセミナー動画

  • 新着記事

配信期間

2024年11月28日(木)~2025年9月30日(火)

DX・業務効率化関連

【年末調整直前!】デジタル化による業務負担の軽減をめざそう

  • 新着記事

配信日時

2024年12月5日(木) 12時05分~12時50分

DX・業務効率化関連

「DX・ITツール活用の進め方」と対面コミュニケーションの両立