ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2021.12.24
最近、私が主管するゴルフスクールで耳にすることが増えたのが、「YouTubeのレッスン動画を見て調子が悪くなった」「YouTubeの技術解説動画でスイングが分からなくなった」といった相談です。このところのゴルフブームで新たにゴルフを始める人の中には、こうしたインターネットのレッスン動画からゴルフを学ぶ人も増えてきているのでしょう。
こうしたネット動画はスマホやパソコンがあればどこでも無料で視聴できるというメリットはありますが、ライブ配信などでやり取りが交わせるケース以外は、基本的に発信者からのワンウエイです。ゴルフレベルを上げたいと思う視聴者の身体能力や身体特性、性格などを加味してアドバイスしているわけではありません。見たままをまねた結果、悪影響を招き、上記のようにリアルなゴルフスクールの門をたたく人も増えているのではないでしょうか。
スイングの良しあしは人それぞれ。一方的な情報発信をうのみにするのは、かえってゴルフの上達を妨げるので注意が必要だと危惧していたところ、AI(人工知能)を活用したゴルフレッスンが登場というリリースが飛び込んできました。ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)が国内12店舗で展開している「GOLFTEC by GDO」で利用できるそう。人それぞれ異なるゴルフスイングをAIがどう判断するのでしょうか。興味津々で、その新しいゴルフレッスン体験会に足を運びました。今回は、このAIによる動画解析技術「OPTIMOTION®(オプティモーション)」を使ったレッスン体験の紹介と、これからのゴルフレッスンについて考えてみたいと思います。
「OPTIMOTION®」は、アメリカ・コロラド州デンバーに本社のあるゴルフレッスンチェーン「GOLFTEC」が推進するレッスンソリューションの一部で、主にゴルファーのスイング分析に活用されます。レッスン受講者のアドレス時、正面と側面のカメラ映像から「OPTIMOTION®」により関節を測定し、骨格情報を推定。瞬時に3D解析してスイングモーションを可視化します。例えば、アドレス時の肩のラインは水平から何度傾いているか、飛球線からどちらに何度ズレているか、スイング中、軸や頭の位置がどのくらい動いているか、などを受講者自身が動画と数値で確認できます。
ここまでの話ですと、以前からあるスイングの映像解析システムと何ら変わらないようですが、このシステムの最大の特徴は、これまでのスイング分析には欠かせないハーネスや測定補助用マーカーの装着が不要となることです。これは、とても画期的なことで、正面と側面の2台のカメラと同システムがあれば、場所を問わずスイングを測定できるようになります。「GOLFTEC by GDO」のレッスンでは、この「OPTIMOTION®」を活用したスイングモーションデータと、トッププロ約50人のスイングデータを統計情報として蓄えた「SWING TRU(スイングトゥルー)」、高性能弾道計測器の弾道データといった情報を基に、レッスン受講者一人ひとりに適したスイング解説がレッスンコーチから受けられるとのことです。
つまり、AIの役割はあくまでゴルファーのスイングを映像解析し3Dモデルとして可視化するのみで、レッスンそのものは特別な研修を受けたコーチが担当します。私は当初、ゴルフレッスンという経験と知識が求められる高度なスキルを人に代わってAIが行うシステムが開発されたのかと思いましたが、それは誤解でした。今回体験したゴルフレッスンは、人とAIがタッグを組んで、より良いサービスを受講者に提供するものであったわけです。
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執筆=小森 剛(ゴルフハウス湘南)
有限会社ゴルフハウス湘南の代表取締役。「ゴルフと健康との融合」がテーマのゴルフスクールを神奈川県内で8カ所運営する。自らレッスン活動を行う傍ら、執筆や講演活動も行う。大手コンサルティング会社のゴルフ練習場活性化プロジェクトにも参画。著書に『仕事がデキる人はなぜ、ゴルフがうまいのか?』がある。
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ゴルフエッセー「耳と耳のあいだ」