オフィスあるある4コマ(第45回)
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公開日:2022.01.28
笑顔は心身によく、物事のパフォーマンスを高めることが一般的に知られていますが、ゴルフにおいても同様と感じています。そこで、笑顔がゴルフに及ぼす効果をより一層理解し、私が主管するゴルフスクールで分かりやすく説得力をもってお客さまへ伝えたいと考え、一般社団法人笑顔トレーナー協会が主催する「笑顔スペシャリスト検定」を受検し、3級と2級に合格することができました。この検定を受検して、笑顔の持つパワーを再認識し、ゴルフの上達にもプラスになることを確信しています。
ゴルフ界において笑顔が話題になったのは、日本人選手42年ぶりのメジャー大会制覇となった2019年の全英女子オープン。ギャラリーの声援にも応えながら終始笑顔でプレーして優勝した渋野日向子選手は、この試合をきっかけに「スマイルシンデレラ」と呼ばれ、一躍人気者に。このように、笑顔には人を引き付けるだけでなく、自身のパフォーマンスをも高める底知れぬパワーがあります。今回は、この「笑顔のチカラ」についてお伝えしたいと思います。
笑顔スペシャリスト検定を通じて学んだことですが、笑顔には、人のココロを楽しく集中している状態にする、リラックスするなどのメンタル的な効果が挙げられます。それに加えてフィジカル的にも運動パフォーマンスを高める効果があります。具体的には、笑顔は首から肩にかけての筋肉の柔軟性を高めます。首を動かす胸鎖乳突筋や、肩甲骨を動かす僧帽筋といった筋肉が柔軟になるからです。ゴルフスイングにおいては肩甲骨や股関節の柔軟性が重要と理解している人は多いと思いますが、首の柔軟性についての重要度を理解している人は少ないかもしれません。ここで少々、体の使い方の面から笑顔の効能について解説しましょう。
右打ちの人はバックスイングで体を右に回旋(体の一部を中心軸に沿って回転させる動き)させます。次に、インパクトからフォロースルーにかけては、顔は正面に向けたまま体を左方向に回旋させます。このときの頚椎(けいつい)周辺の筋活動は、直立した状態でも首振りの動きとして再現できます。試しに正面に向けた体を動かさず、いったん顔を左肩に向けてから、右肩へ首を振ってみてください。左打ちの人はこの逆です。スムーズに首を回すことができましたか。
立った状態でも左右に首が振りにくいという人が、ゴルフスイングで無理に顔を正面に残そうと頑張ると、頚椎(いわゆる首の骨)周辺の筋肉が緊張し、かえって体の回旋運動がままならなくなります。飛距離が思うように伸びない、ボールの弾道がブレやすいという人は首の柔軟性が失われていることが一因かもしれません。また、無理に体を回してスイングしようとすると、頚椎を痛めるリスクが高まるので要注意です。
安定したショットを生み出すには、首の柔軟性が不可欠であることがご理解いただけたところで、笑顔で首が回しやすくなることを実感できる簡単な方法を紹介します。
まずは奥歯をグッとかみしめた状態で首を左右に回してみてください。次に口元を緩め、笑みを浮かべた状態で首を左右に回してみてください。どちらがスムーズに回せたでしょうか?多くの人は、笑みを浮かべた方が首を回しやすくなったのではないでしょうか。力を入れて歯をくいしばると胸鎖乳突筋が緊張し、スムーズに動かせなくなります。一方、口元を緩めて笑みを浮かべると、胸鎖乳突筋が柔軟になって首の回旋運動がしやすくなるというわけです。
プロ野球選手が試合中ガムをかんでいるシーンを見かけますが、これは口元の緊張を緩め、胸鎖乳突筋を柔軟にして運動パフォーマンスを高める狙いがあるのではと推測できます。「スポーツのシーンで笑うなんて真剣さが足りない」といった指摘は今や昔の話。ラウンド中も笑顔でプレーし、ミスショットを減らしましょう。
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執筆=小森 剛(ゴルフハウス湘南)
有限会社ゴルフハウス湘南の代表取締役。「ゴルフと健康との融合」がテーマのゴルフスクールを神奈川県内で8カ所運営する。自らレッスン活動を行う傍ら、執筆や講演活動も行う。大手コンサルティング会社のゴルフ練習場活性化プロジェクトにも参画。著書に『仕事がデキる人はなぜ、ゴルフがうまいのか?』がある。
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ゴルフエッセー「耳と耳のあいだ」