ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2022.04.22
2022年3月11日から13日の3日間、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜でジャパンゴルフフェア2022(以下、JGF)が開催されました。私が所属する日本ゴルフジャーナリスト協会はJGFを後援し、セミナーを主催しました。セミナーでは、新たにゴルフを始めたゴルファーの悩みがいくつか紹介されました。
「車がないのでコースに行けない」「何を着たらいいのか分からない」、といった以前からあった悩みもありましたが、最も切実な悩みとして挙げられていたのは「一緒にゴルフに行く仲間がいない」でした。会社の上司から誘われていや応なしにゴルフを始め、上司の車で強引にコースに連れて行かれたといったケースも今は昔の話。「ゴルフ仲間がいない」は、ゴルフを続ける障壁になっているのです。
この悩みを裏返すと「いつでも行ける仲間がほしい」ということになります。ただ、中には本気でソロプレーを楽しみたいのに、「1人で行くと他の1人客とまとめて組まされるのが嫌」という理由の人もおられるのではないでしょうか。1人で来場したお客さま3~4人を組み合わせて同じ組でプレーさせるゴルフ場は決して珍しくはありません。
この後者の悩みを解消させる策を早々に打ち出したゴルフ場が、千葉県夷隅郡のマグレガーカントリークラブ(以下、マグレガーCC)です。このゴルフ場が取り入れたサービスの特徴は完全に1人でプレーする“1人ラウンド”が可能なことです。ゴルフ仲間がいなくてもプレーができ、かつ知らない人と一緒に回って気兼ねすることもないと好評だそうです。
近年、少子高齢化や未婚率の増加、核家族化を背景に単独世帯が急増していることから、各業界がこぞって1人向けのサービスを取り入れています。「お1人さまツアー」「1人カラオケ」「1人焼き肉」「ぼっち席」といったサービスをたびたび目にするようになりました。この傾向は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため“密”状態を少しでも避ける意味でもさらに拍車がかかっているようです。ゴルフ業界も当然ながら、こうした需要変化への対応に迫られています。
マグレガーCCでは、早朝6時から7時代前半を“お1人さま”がスタートする時間帯とし、7時代後半が2名の組、8時以降が3~4名の組と、スタートの時間帯(※)を組の人数によって分けて管理しています。これにより、通常1人の組が複数組との間に入ることで発生するロスタイムといった問題を解消、どの組にもストレスなくラウンドできる環境を提供しています。また、1組当たり7~8分間隔でスタートするところを、“お1人さま”はプレーが早いため5分間隔でスタートさせているとのこと。“お1人さま”が多くなると1組当たりの売り上げは下がってしまいますが、スタート間隔を短くすることで少しでも多くの“お1人さま”を受け入れつつ、売り上げ水準の維持に努めているようです。
※スタートの時間帯は季節によって変動します。
“お1人さま”でのプレー時間は、ハーフ(9ホール)で約1時間10分程度、1ラウンド(18ホール)でも2時間半ぐらいだそう。これなら早朝にスタートすれば18ホール回った後でも十分リモートワークで仕事ができます。平日に午前半休を取り、午後は仕事といった具合に、1日を有効に使えます。このように、同コースは知恵と工夫でお1人さまのニーズに応え、完全に1人でも楽しみたいという新たな顧客を獲得しているのです。
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執筆=小森 剛(ゴルフハウス湘南)
有限会社ゴルフハウス湘南の代表取締役。「ゴルフと健康との融合」がテーマのゴルフスクールを神奈川県内で8カ所運営する。自らレッスン活動を行う傍ら、執筆や講演活動も行う。大手コンサルティング会社のゴルフ練習場活性化プロジェクトにも参画。著書に『仕事がデキる人はなぜ、ゴルフがうまいのか?』がある。
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ゴルフエッセー「耳と耳のあいだ」