オフィスあるある4コマ(第45回)
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公開日:2017.05.10
受注生産型の製造業は、発注者からの多様な設計要求や短納期への対応に追われがちだ。“忙しいだけでもうからない”構造に陥っているケースも少なくない。そこから脱却するには、複数技術者による共同作業や、ICTの活用によって生産性を高める必要がある。
こうした生産効率を高める具体策として、CADソフト※によって作成したデータファイルなどを社内で一元的に管理し、従業員間で共同利用を容易にする仕組み構築が考えられる。精密板金加工やレーザー加工に強みを持つ三裕工業が取り組んだ、ファイル管理の効率化を紹介する。
<有限会社三裕工業>
スチール・アルミニウム・ステンレスなどの精密板金加工、各種レーザー加工、溶接を中心に事業を展開。制御箱からブラケット、本棚、建築補強まで「わがままを相談できる」企業として、発注者の多様なオーダーに対応する。納品前の検査のほか、工程ごとに寸法や重要箇所の徹底した確認を行うなど、全従業員が「いいモノを作る」というスタンスを貫いている。2011年設立、本社を兵庫県川西市に置く。
三裕工業は、最新の加工機や溶接機を取り入れ電気機器の筐体(きょうたい)など精密板金加工による金属製品を製作する。受注生産型の製造業だ。近年は新たな成長分野として、空気中の浮遊ウイルスなどを抑制する環境関連製品の開発にも注力する。
同社ではCADソフトによる設計や生産管理を行っているが、業容の拡大に伴って増え続けるさまざまなファイルの管理が課題となっていた。
「社内にある計15台のパソコンと加工機はLANで結ばれていましたが、CADファイルなどは設計作業を行うパソコンごとに保存していたため、必要な設計データがすぐに見つからないなど、業務効率が低下する要因となっていました。また、重要なファイルを他の社員が変更したり、誤って削除したりしてしまうリスクも常にありました」と、総務部長の安田裕明氏は当時の問題をこのように話す。
「ある日、1台のパソコンに不具合が発生し、急いでデータを別のパソコンに移し替えたことがありました」と、安田部長は過去のトラブルを振り返る。幸いにしてこのときは、重要データや設計途中のCADファイルが消失する事態には至らなかった。だが、この不具合がきっかけとなり、ファイルサーバーを導入して、以前からの業務課題に取り組むことが決定した。
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執筆=田村 直人
ビジネス系ライター・企業広報支援ライター。主に企業のWebサイト、会社案内、商品導入事例、CSRレポート、社内コミュニケーションツールなどの取材・執筆を行っている。
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