脱IT初心者「社長の疑問・用語解説」(第82回)
ブルーライト対策にはうな重?
公開日:2017.08.02
生産性の向上や人材不足の課題に直面する製造業。対策としてIoT(モノのインターネット)に着目し、製造現場への普及を加速させている。機械設備の稼働状況や加工データなどを見える化し、インターネットを介して納入先企業との間で共有する取り組みが相次ぐ。IoT導入に必須なのが、Wi-Fi環境の情報セキュリティー確保と管理負荷の軽減だ。石川県で産業・建設・環境機械などの設計・製造を行っているタガミ・イーエクスの事例を紹介する。
<株式会社タガミ・イーエクス>
建設・産業用機械をはじめ、社会インフラ整備や地球環境保全に役立つ機械装置を製造する中堅メーカー。1965年の創業以来、社是「無極」(知恵は極まることなく改善は無限である)の精神で、機械や装置の開発・生産・販売・サービス活動を通して国際社会のインフラ整備や地球環境保全に貢献することが使命と考え、新技術・新工法への挑戦し日々努力と研さんを積んでいる。本社は石川県能美市、従業員数は240人。
タガミ・イーエクスは、コマツやIHIといったグローバル企業向けに機械・周辺装置を製造する中堅メーカーだ。現在、海外を含む6カ所の事業拠点で、240人の従業員が設計・製造などに取り組む。
自前でWi-Fi環境を構築し、工場内でノートパソコンなどを利用して業務を行っていたが、2016年9月、さらなる生産性の向上を図るために、Wi-Fi機能を搭載した新型の機械設備を導入した。LAN経由で稼働記録などのデータを収集・管理し、納入先企業とも共有できるIoTの仕組みづくりをスタートさせた。
従来のWi-Fi環境はビジネスフォン用のFMCアンテナを利用する構成で、暫定的に構築していた。そのため、工場のIoT化にも使用する場合、音声系ネットワークに負荷がかかるなど、運用安定性の面で不安があった。また、Wi-Fi機器の老朽化も進み、更新する必要に迫られていた。
データ系の無線ネットワークがインターネットに直接つながることによる、情報セキュリティーリスクの増大も懸念された。こうした理由から、全6拠点で新たにセキュアなWi-Fi環境を整備する計画が持ち上がった。
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執筆=田村 直人
ビジネス系ライター・企業広報支援ライター。主に企業のWebサイト、会社案内、商品導入事例、CSRレポート、社内コミュニケーションツールなどの取材・執筆を行っている。
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