面堂くん:仕事用とプライベート用を分けられるっていうのは、すごく便利なんですよ。確かに最初、スマホの番号を名刺に載せるのは抵抗ありましたけど、今はもう慣れました。でも、帰宅後とか休日に仕事の電話がかかってくると、正直ガックリきます。
――翌週のオフィスにて営業、総務の会話
面堂くん:おっ、電話機が新しくなりましたね。やっぱり新品になると気分がいい。
楽田さん:一見すると普通のビジネスフォンと変わらない気がするけど。それからさっき総務の栗さんが、支給したスマホを回収するって言っていたよ。これからは個人用をそのまま会社用としても使うんだって。
面堂くん:やっと2台持ちから解放される!
楽田さん:詳しいことはよく分からないけど、これから説明があるから栗さんに聞いてみよう。
栗さん(総務):これから今回導入したビジネスフォンの使い方を説明しますね。まず電話機としては前の機種と同じで、発着信履歴や電話帳も普通に使えます。一番大きく変わったのはスマホと連携していて、会社の電話と同じ感覚でスマホが使えるようになったことです。
面堂くん:ちょっと意味が分からないです。同じ感覚ってどういうことですか?
栗さん:今まで営業さんの外出中にかかってきた電話は、オフィスにいる誰かが受けて、それから皆さんに伝言していましたよね。これからは事前に登録しておけば、外出中は会社の電話から自動的にスマホに転送できるんです。
面堂くん:それは便利ですね。でも、転送ってことはスマホには「会社からの電話」ってことしか分からないんじゃないですか?
栗さん:スマホには会社と発信元の電話番号が一緒に表示されるから、応対する前に誰からの電話なのか判断できますよ。
面堂くん:良かったです。場合によってはすぐ対応できないこともあるので……。
栗さん:面堂くんにはお客さまからよく急ぎの電話がかかってくるから便利よね。
楽田さん:会社の電話と同じように使えるってことは、スマホから会社の電話番号で発信できるの?
栗さん:スマホから発信するときは、普通スマホの電話番号が先方に表示されますよね。これからは発信前に会社の電話番号も指定できるようになります。これは「コールバック」と言うんですが、スマホからクラウドにアクセスして、外出先からでもオフィスの電話として発信する形ですね。これが自動で行われます。ちょっと分かりにくいですけど、発信時に「直接発信」か「コールバック」を選ぶだけですから操作は簡単です。私のスマホで実験してみますね。
楽田さん:なるほど。先方の電話機には、わが社の電話番号が表示されるのか。
面堂くん:「コールバック」を選ぶだけで、会社からかけているように見えるなんて便利ですね。これなら面倒くさくないや。
楽田さん:個人のスマホから会社を経由してお客さんに電話がかけられるということは、通話料は会社負担になる。その理解でいい?
栗さん:ずばり、その通りです。
楽田さん:それならBYODも楽々ってことか。
BYODって何?
面堂くん:BYODって何ですか? それに栗先輩、今使っている会社のスマホを回収するって聞きましたけど、前みたいに個人用のスマホで毎月精算しなきゃいけないんですか? 自己申告だったからすっごく面倒だったんですよ。僕は着信のほうが多いからまだ楽でしたけど、出張の多い人とかは苦労していましたっけ。
栗さん:そんなに面倒ではないわよ(笑)。BYODについて楽田さん説明をお願いします。
楽田さん:BYODはBring Your Own Deviceの略で、個人の機器を業務で使うという意味。個人のスマホを仕事で使う場合、どこまでが個人用で、どこまでが仕事用なのかっていう線引きが難しい面があるよね。発信には料金が発生するから精算も必要だし。今回スマホと連携したビジネスフォンが導入されて、会社で支給していたスマホの機能が個人のスマホ内に組み込めるから、プライベートとビジネスを1台で使い分けられるということなんだ。そして、会社の番号から発信した分、つまり仕事で発生した通話料金は自動的に会社へ請求されるから精算しなくていい。
面堂くん:それは便利ですね。
楽田さん:あと、受信の際も外出中に転送で対応しておけば、わざわざスマホの番号を名刺に載せなくていいんだよ。
面堂くん:これで休日の朝に仕事の電話で起こされる心配がなくなります。
楽田さん:ところで、せっかくスマホを支給していたのに、それを回収してまでBYODにするメリットってあるの?
栗さん:私も最初に聞いたときにそう思ったんですけど、実際は相当メリットがあるみたいですよ。総務としては、支給しているスマホの管理ってすごく大変なんです。使い方で分からないことがあると、社員からしょっちゅう問い合わせの電話が来て、サポートセンターにつないでも分からなかったりするし。それに今のスマホって結構高いので、買い替え時期などかなりの費用が発生するんですよ。
楽田さん:確かに管理は大変だ。もっと楽にやりたいよね。
栗さん:BYODにすれば、管理がかなり楽になります。例えば毎月の通信費にしても、これまでは各自の精算書を集めて合計していたのが、これからは分計しなくても仕事で使った分がクリアに分かるようになります。会社からスマホを支給するのに比べて、端末のコストが削減できることも大きいですね。
面堂くん:個人用のスマホにSNSとかゲームアプリを入れているんですけど、そのまま使っても問題ないですか?
栗さん:まったく問題ないとは言えないわね。BYODで気を付けないといけないのがセキュリティーなの。運用を始める前にチェックシートを配って、みんなのスマホがセキュリティー上問題なく使えるかどうか確認してクリアにするつもり。もし心配なことがあったら知らせて。私からビジネスフォンサポートに連絡して専門家のアドバイスを受けるから。
面堂くん:あとちょっと気になるんですが、取引先の電話番号を入れた個人用のスマホをもし紛失したらどうなるんですか? 「それは持ち主の責任だ!」とか責められても困るんですけど。
栗さん:仕事用に使う電話のアドレス帳とか発着信履歴は、すべて会社のビジネスフォンサービスで管理するから、スマホには顧客情報が残らないの。もちろんしっかり管理して紛失しないのが一番だけど、最近は情報漏えいの事件も多いから、トラブルを未然に防ぐ仕組みも大切よね。
楽田さん:2台持ちだと片方を家に忘れてきたりする人もいるから、1台できっちり管理できたほうがいいね。
面堂くん:確かにそんな人いましたね(笑)。持ち物はできるだけ少なく、面倒でないのが一番です。僕もBYODでスマートにがんばります!
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