システム構築のための調整力向上講座(第34回)言葉や態度を通貨として「価値交換」で人を動かす

コミュニケーション

公開日:2018.07.12

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権限を持たずに人を動かす6つの法則

 コーエン氏とブラッドフォード氏は、価値の交換を成立させるために心得るべき6つの法則を提示しています(図2)。以下、個別に解説します。

価値の交換を成立させるために心得るべき6つの法則を示したモデル。「影響力の法則」(アラン・R・コーエン/デビッド・L・ブラッドフォード著、税務経理協会)から引用し、説明を加えた

 

相手を「敵」だと考えて行動すると、おのずとその気持ちが伝わり、相手の態度をさらに硬化させることになる

法則1:味方になると考える
 相手が非協力的だと、どうしても相手を「敵」だと見なしてしまいがちです(図3)。しかし、プロジェクトを成功に導くには、すべてのステークホルダーの協力が必要です。相手がどんな人物であっても、プロジェクトの成功という共通の目的を達成するための「パートナー」だと考えるべきです。「同じ目的を共有する仲間であれば必ず味方にできる」と考えることが、影響力を発揮する出発点となります。

法則2:目標を明確にする
 相手から協力を引き出したいにもかかわらず、どんな協力をしてほしいのかがあいまいなときがあります。これでは相手も協力のしようがありません(図4)。例えば、プロジェクトが遅れているとき、「人を貸してほしいのか」「納期を調整してほしいのか」など、具体的な目標がなければ、人は動きようがないでしょう。人を動かすためには、「自分が何をしてほしいのか」を明確にしておく必要があります。

相手の協力を引き出せないのは、何をしてほしいかあいまいなことが原因かもしれない。目標を明確にすると協力を引き出しやすくなる

法則3:相手の世界を理解する

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執筆=芝本 秀徳/プロセスデザインエージェント代表取締役

プロセスコンサルタント、戦略実行ファシリテーター。品質と納期が絶対の世界に身を置き、ソフトウエアベンダーにおいて大手自動車部品メーカー、大手エレクトロニクスメーカーのソフトウエア開発に携わる。現在は「人と組織の実行品質を高める」 ことを主眼に、PMO構築支援、ベンダーマネジメント支援、戦略構築からプロジェクトのモニタリング、実行までを一貫して支援するファシリテーション型コンサルティングを行う。

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