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公開日:2016.06.09
経営者の育てられ方から子育ての極意を学ぶ連載。今回、取り上げるのはショコラティエ(チョコレート菓子職人)として有名なパティシエ エス コヤマの小山進社長です。父親もケーキ職人だった小山社長は、子どもの頃からケーキ職人をめざしていたわけではありません。ある年のクリスマスイブに父親が初めて胸の内を打ち明けたことで、父の背中を追いかけようと決めたのです。前編ではそれに至る母親の子育てを紹介します。
小山進(こやま・すすむ)
1964年生まれ。83年に「スイス菓子ハイジ」に入社。2000年パティシエ エス コヤマを設立。03年、兵庫県三田市に出店。チョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ・パリ」をはじめ、海外のコンクールで受賞多数
兵庫県三田市にある「パティシエ エス コヤマ」は、その人気では日本でも指折りの洋菓子店だ。約5000平方メートルの敷地はさながら「お菓子のテーマパーク」。
チョコレート専門店やカフェ、お菓子教室などが点在し、1日約4000人が訪れるという。全国の商業施設から出店依頼は絶えないが、すべて断っている。そのため北は北海道、南は沖縄から、わざわざ飛行機に乗って買いに来るお客までいる。
オーナーは小山進。毎年フランスで開催されるチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ・パリ」において、4年連続最高位、そして3度の最優秀賞に輝いていることなどから、その名は日本を超え、世界にとどろく。
そんな押しも押されもせぬこの名店に、毎月のように小山の両親がやってくる。
ほかのお客と一緒に長蛇の列に並び、最愛の息子の菓子を買い求めるだけではない。開店当初は、母親が「お店というのはな、トイレが汚かったらあかんのや」と言いながら、勝手にトイレ掃除をしていた。
母親は今も小山をつかまえては、「絶対に派手なことをしたらあかんで」「周りの方とはうまいこといってんのか」「もし、あんたが世の中でうまいこといっていないとしたら、私のせいやから、教えてな」などと、諭すように繰り返すそうだ。
「来るなとも言えんし。俺、結構頑張ってるねんけどなあ」
そう言って小山は笑う。
小山の父親もまた、ケーキ職人だった。朝から晩まで、コツコツと働く父親の背中を小山が追いかけたのかというと、いきさつはそう単純ではない。
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執筆=北方 雅人/本荘 そのこ
北方 雅人
1969年兵庫県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、91年に日経BP社入社。主に経営誌の編集部を渡り歩き、現在は、オーナー経営者向けの月刊経営誌『日経トップリーダー』副編集長。
本荘 そのこ
1969年北海道生まれ。法政大学大学院経済学研究科経済学専攻修士課程修了。地方新聞社、法律事務所勤務などを経て、98年からフリーの記者として活動。
【T】
子どもを社長にする子育ての極意