ビジネスに欠かせない電話によるコミュニケーション。そのインフラとなるのがビジネスフォンだ。「オフィスで利用している今のビジネスフォンに不満はない」企業も少なくないかもしれない。しかし、ビジネスフォンを換えることで、従業員の業務効率化や取引先の顧客満足度向上につながるなら検討しない手はない。
業務環境の変化や業務効率化に対応するビジネスフォンとして、NTT西日本が発売した「SmartNetcommunity αZX」を例に説明しよう。αZXの主装置は、大企業はもちろん、中堅・中小企業からSOHOまで対応できるよう、企業規模に応じて外線・内線数を選べる4タイプが用意される(利用できる機能はタイプによって異なる)。
αZXは「新たな市場ニーズに応える機能強化」をコンセプトに開発された。NTT西日本のビジネスフォンユーザーの要望を、製品開発に反映。操作面、機能面でこれまでのビジネスフォンの“いいとこ取り”をした。具体的には、スマホの内線化によるテレワーク対応の強化や、多拠点の接続機能の強化、ボイスメール機能の強化などが挙げられる。αZXの機能を詳しく見ていこう。
拠点間通話や音声メール機能を強化
拠点間連携機能では、VPN(フレッツ・VPN ワイド、フレッツ・VPN プライオ)を利用し、離れた拠点にあるαZX主装置同士を連携させることができる。本社から別拠点にいる社員の内線電話機を直接呼び出せるようになり、コミュニケーションの円滑化を実現し、通信コストの削減にも貢献する。また、別拠点にいる社員にもスムーズな取り次ぎが可能だ。
【拠点間をVPNでつないで、1つの電話システムとして運用できる】
また、拠点間をVPNでつなぎ、1つの電話システムとして利用できる「IP内線延長」に対応する。電話回線は本社のαZXに集約し、拠点(営業所、サテライトオフィスなど)には主装置を設置する必要がない。だから初期費用を抑えられる。拠点間を内線電話で呼び出せるので、電話取り次ぎ業務を効率化するとともに拠点間の通信コスト削減に貢献する。
会社にかかってきたクレーム電話を録音し、トラブル深刻化を回避したいニーズも根強いだろう。αZXでは音声メール機能を標準搭載する。かかってきた電話の通話内容を手動または自動で録音する「通話録音機能」と、通話を終了してから録音できる「遡り通話録音」を備えている。
このほか、録音前ガイダンスを流した後に自動で通話録音する「録音前ガイダンス」、かかってきた電話に出られないときにメッセージを送出する「お待たせメッセージ」の機能がある。
着信時の保留音も市場ニーズに対応する。従来は明るい曲調の保留音が多かったが、落ち着いた曲調の保留音が追加された。ユーザーの業種に合わせた選択ができるようになった。
テレワークに対応するビジネスフォン…
αZXはスマホの内線化にも対応している。主装置に外付けするモバイル内線アダプタ「MB500」をオプションで提供する。1台のMB500に最大16台のスマホを収容でき、同時通話数は4台まで。機種によってMB500を複数台設置することも可能なので、利用者数を増やすこともできる。
また通信キャリアを問わずに、スマホをビジネスフォンの内線端末として活用する。会社にかかってきた電話を自宅や外出先で着信できる。着信時には相手の電話番号がスマホに表示され、スマホの電話帳に取引先名・担当者名を登録しておけば着信時に相手の名称が表示される。
スマホからの発信時にはオフィスのαZXを経由することにより、会社の電話番号で発信できる。個人のスマホの電話番号を相手に知られずにすみ、テレワーク中でも個人情報を守りながら業務が行える。
また、会社で取り次いだ取引先からの着信を保留し、テレワークや外出中の社員の内線番号をダイヤルしてスマホへ転送するといった操作が行える。このため、取引先をそれほど待たせずに、スマートな取り次ぎが可能になる。
「MB500」とスマホ間の通話については、通信キャリアのパケット定額制サービスを利用し、通信費を固定化できる。また、外線発信には主装置側で「ひかり電話」を活用。利用状況によっては割安なひかり電話の料金で電話をかけられる。
通話環境が広がるコードレス電話機
固定電話機、コードレス電話機共に多彩なタイプを用意し、通話環境の選択肢が広いのもαZXの特徴だ。固定型の多機能電話機(24キー標準電話機)は、シンプルで直感的な操作性を継承しつつ、ユーザーニーズに合わせて白と黒の2色を用意する。また、オフィスの入り口に設置するメディアIP電話機は、受付電話機能を標準装備。メディアIP電話機同士で受付に来た来訪者の顔の映像を通信でき、的確な受け付け応対が行える。
デジタルコードレス電話機には防水機能を強化したタイプや、デジタルコードレス接続装置を各フロアに複数台設置してフロアを移動しながら通話できるハンドオーバー(接続装置間移動)が可能なデジタルコードレス電話機がある。多機能電話機として使えるタイプのほかPHS方式のタイプもあり、フロアをまたがって通話する機会の多い医療機関や介護施設でのリプレースに適している。
デジタルコードレス電話規格のDECTに対応する「DECTコードレス電話機」では、デジタルコードレスアンテナと子機をセットにしたタイプの場合、設定により通話可能な見通し距離を最大約200mまで広げられる。さらに、2本の外部アンテナを利用するダイバーシティ方式を採用したDECTコードレス電話機では、障害物による音切れを軽減する。
新たに無線型の多機能電話機が提供され、オフィスレイアウトの変更が頻繁な場所でも配線変更が不要になり、デスクの移動後も業務がスムーズに進む。
いくらメールやWeb会議などが普及したとはいえ、現状ではビジネスに関するコミュニケーションに電話は欠かせない。その基盤整備としてビジネスフォン見直しは、会社の生産性向上に寄与する確度が高い。今こそ、業務効率化に貢献する機能を備えたビジネスフォン導入を検討したい。
※掲載しているサービス・機能のご利用には、フレッツ 光ネクスト等のインターネット接続環境、ひかり電話オフィスタイプ、フレッツ・あずけ~る、VPN サービス、VPN ルーター等対応端末が別途必要です
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