ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2016.05.26
「他人の不幸は蜜の味」。不謹慎とは思いつつ、妬んだ相手の不幸を喜んでしまう脳内メカニズムが脳科学的にも証明されているそうです。だからこそ、成功したファミリー企業にお家騒動が起こると、週刊誌やテレビのワイドショーで大きく取り上げられるのでしょう。
最近では、大塚家具が経営方針を巡り、父・大塚勝久会長(当時)と娘の久美子社長による騒動が話題になりました。こうした大企業だけでなく中堅・中小企業のオーナー経営者にとって、お家騒動、事業承継トラブルは人ごとではありません。今回はお家騒動を未然に防ぎ、事業承継をスムーズに実現する方法を考えてみましょう。
お家騒動を防ぐためには、オーナー経営者が株主総会を優位に進める必要があります。というのも、株主総会は株主とともに会社の基本的な方針を決定する場であり、その方針は、株主が所有している株式数の多数決によって決定されるからです。そのため、オーナー経営者の持株比率が低下すれば、会社に対する経営支配が弱まり、お家騒動へと発展する可能性が高まります。
もし、会社が発行する株式の3分の1を確保できれば、株主総会における特別決議(営業の全部または一部の譲渡、定款の変更、減資、解散、合併など、会社の根本に関わる内容の決議)を阻止できます(拒否権)。さらに過半数の株式を確保できれば、株主総会における普通議決(取締役の選任や利益処分など、通常の議案に関する決議)が可能となり、経営権を取得できます。さらに3分の2の株式を確保できれば、前述の特別決議が可能となり、例えば任期途中の取締役の解任も可能になります。
つまり、円滑な事業承継を行い、承継後の経営を安定させるには、後継者に相当の自社株や事業用資産を集中させ、株主総会でトラブルが起きないように配慮することが不可欠になります。
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執筆=南部 善行(studio woofoo)
1991年、関西学院大学経済学部卒業。同年、地方銀行に入行し、長年にわたり地域に密着した経済活動を支援。支店勤務では営業統括部門の責任者として経験を積む。資産運用、税務、財務など幅広い分野の経験、知識を生かし、現在は富裕層を対象に資産運用、コンサルティング業務を行う専門部署で活躍。その他、豊富な実務経験を生かし現在は不動産、相続対策など、関連分野においてフリーのライターとして活動している。
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