社内のメンバーに用事があって連絡を取りたいときは、相手の部署の内線電話を呼び出すのが定番だ。これで連絡がつかない場合は、内線を取った人に対して「○○さんが席に戻り次第、連絡してもらえるよう伝えてください」などと伝言を残す。
そもそも、「プレゼンス」と呼ばれる在席状況については、名前の札を裏返して在席・外出を示したり、外出先や理由をホワイトボードに書いたりと、アナログな手段を使用しているところがまだまだ多い。
用事のある相手にどれだけ速やかに連絡が取れるかが業務の効率化に関わる。連絡を取りたい相手は「電話を受けられる状況か」「メールなら確認できる状況か」といった“状況”こそが知りたい内容だともいえる。そもそも、速やかに連絡が取れて業務を円滑に遂行するために必要な相手のプレゼンスとは具体的にどんな情報だろうか。
まず1つ目は「所在」。社内にいるかどうか。不在の場合は今どこにいるか?ということだ。
2つ目は、「状態」。社内であっても、連絡が可能な場合とそうでない場合がある。グループウェアなどでは「在席中」「離席中」「外出中」などの“状況”を、手動で変更・設定できる。こうした状態の情報が、相手に連絡をスムーズに取るための重要な情報となる。
3つ目は、「スケジュール」。1つ目・2つ目は、基本的に“今現在”の情報である。在席中で連絡が取れればいいのだが、外出や社内で会議中などの場合、その状態がいつまで続くのかという情報である。この3つの情報をいつも明確にしておいて、誰にでも共有されている環境が、業務連絡をロスなく行うための“理想”に近い状態といえるだろう。
状況が分かれば適した連絡手段が取れる
プレゼンスによる連絡手段の使い分けは、プライベートでは当たり前に行えていることだ。連絡を取りたい相手がどこで何をしているかを予測して、連絡手段を普通に使い分けているはずだ。
家にいてわりと余裕のある時間帯なら、携帯への電話にすぐに出られて手っ取り早い。子どもの送り迎えや買い物などで外出がちな時間帯なら、電話に応答するのは大変だからテキストメッセージを入れておく。友人への連絡も、「あいつは早寝で携帯電話への通話やメッセージで起こしては迷惑だろうから、パソコンにメールを入れておこう」という“気遣い”の部分だ。
同様にビジネスにおいても「相手が取り込み中や急を要さなければメールで」「ある程度急ぐ場合は、スマートフォンにテキストメッセージ」「どうしてもすぐに連絡をつけたい場合は電話で呼び出す」というように、相手の状況に用事の緊急度を加味して適した連絡手段を選択すれば、効率良く案件を片付けられるだろう。
適切な連絡方法は効率化や時間の有効活用をもたらす
相手のプレゼンスが確認できれば、相手の在席を確認してから電話をしたり、相談や打ち合わせに行けたりして、無駄な手間や時間が省けて効率的になるほか、相手の状況に合った連絡手段を選べて、よりスムーズにコミュニケーションが取れる。
出張中なら普通は連絡が取りづらいものだが、往復の新幹線の移動時間などには、会話は困難でもテキストメッセージでやりとりすればかなりの時間を有意義に活用できるだろう。円滑な連絡手段の選択が、業務のさらなる効率化やコスト削減につながる。そのカギは正確なプレゼンスの把握だ。
世の中にはプレゼンス確認のための数々のサービスがある。グループウェアなどでは、大抵メンバーリストを表示することで、おのおののメンバー名の前もしくは後ろに、 アイコンや文字で「オンライン」「オフライン」「退席中」「取り込み中」のような、プレゼンス情報が表示され、確認できる仕組みとなっている。中には、位置情報やスケジュールなどと連動して、もっと具体的に状態を表す高度なものもある。自分の環境に合ったサービスの導入で、さらなる効率化を図り、快適に業務を行っていこう。