ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで“学び”が進化する
公開日:2017.10.02
日本のインバウンド市場が急拡大する中、2016年には台湾から400万人もの観光客が訪日した。その数は台湾人口の実に2割近くに上る。にもかかわらず、これまで台湾からの訪日客に特化した観光客向け総合メディアが存在しなかった。
ジーリーメディアグループの吉田皓一社長は民放テレビ局の営業だったが、メディアビジネスに興味を持ち、独学で中国語を学び、2013年に台湾・香港向けに絞り込んだ「ラーチーゴー(樂吃購)」というポータルサイトを立ち上げた。
すべてのコンテンツを現地出身の人材が作成し、ユーザー視点で情報を提供。今では月間ユニークユーザー数が70万人という台湾・香港向けでは日本観光情報で最大のサイトとなった。どのような経緯でサイトを立ち上げたのか吉田社長に聞いた(聞き手は、デロイト トーマツ ベンチャーサポート事業統括本部長、斎藤祐馬氏)
斎藤:「ラーチーゴー」という台湾・香港向けに特化した訪日観光客用の情報サイトを運営していらっしゃるわけですが、どのようなメディアなのですか。
吉田:ラーチーゴー(樂吃購)とは、遊び、食事し、ショッピングを楽しむという意味です。現在、月間のユニークユーザー数は70万人あり、そのうち台湾が7割、香港が3割です。台湾では訪日客向けサイトとしては一番多く使われています。
1982年奈良県生まれ。防衛大学校を経て慶應義塾大学経済学部卒業後、朝日放送入社。総合ビジネス局にて3年にわたってテレビCMの企画・セールスを担当したのち退職し、2013年ジーリーメディアグループを創業。HSK漢語水平考試(中国政府公認中国語試験)最高級所持
(写真:菊池一郎)
斎藤:ユーザーは中華系の人すべてが対象ではないのですか。
吉田:台湾で話されている言葉は北京語、香港人は広東語なのですが、実は使っている文字は両国とも繁体字なのです。これに対して中国大陸では簡体字を使っています。台湾・香港とは文字も文法も言い回しも異なります。
斎藤:これまで台湾・香港だけにターゲットを絞り込んだ観光サイトはなかったわけですか。
吉田:ありませんでした。訪日観光客向けの英語サイトはありますが、欧米もアジアもすべてひとまとめで、しかも大半は日本語のコンテンツを翻訳しているだけです。台湾には英語が苦手な人が多いので、あまり利用されません。私たちは十数名の現地出身のライターなどスタッフを抱え、台湾で求められる情報を現地の視点で提供しているので、台湾で支持されているのです。
斎藤:ラーチーゴーのユーザーはどのような人たちでしょうか。…
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斎藤 祐馬
トーマツ ベンチャーサポート事業統括本部長 1983年愛媛県生まれ。慶應義塾大学を卒業後、2006年にトーマツに入社。2010年にトーマツ ベンチャーサポートを事実上立ち上げた。公認会計士でもある。
※トーマツ ベンチャーサポートは、2017年9月1日より「デロイト トーマツ ベンチャーサポート」に社名変更しました。
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