ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2018.01.15
台湾からの訪日客に特化した観光客向け総合メディアが存在しなかった中、ジーリーメディアグループ2013年に台湾・香港向けに絞り込んだ「ラーチーゴー(樂吃購)」というポータルサイトを立ち上げた大成功を収めている。今では月間ユニークユーザー数が70万人に成長し、台湾・香港向けの日本観光情報で最大のサイトとなった。同グループの吉田社長に社内のコミュニケーション手法や今後の事業展開を聞いた(聞き手は、デロイト トーマツ ベンチャーサポートの事業統括本部長、斎藤祐馬氏)。
斎藤:台湾と中国本土では考え方が違いますか。
吉田:台湾は日本的な部分も大きく、みんなで和気あいあいと楽しくやりたがります。僕らも付き合いやすいですよ。
以前、編集部を2つに分けて競争させようとしたことがありました。ところが、1カ月くらいすると、「職場の雰囲気が悪くなったので、競争はやめてほしい」とみんな訴えるので、中止しました。それと比較するなら、中国本土では競争好きな人が多く、頑張って結果を出したら、その分はよこせと主張しますから。
斎藤:彼女たちの力を引き出すために心がけていることや制度は何かありますか。
吉田:それぞれの国の習慣や文化を理解することが大切です。日本企業がよくマネジメントで失敗するのは、中国語も話せない日本人リーダーが「俺の言うことを聞け」と押し付けるケース。これでは組織が回らなくなる。彼らは決して怠慢ではなく、それがカルチャーなんですよ。だから、問題があれば、その都度、丁寧に説明し、お願いし、マニュアル化する。どんな人が入社してきても、マニュアルを読めば分かるようになっています。
斎藤:マニュアルづくりのコツはありますか。
吉田:いろいろな事態を想定することですね。後は、パワーポイントにして箇条書きで、絵を入れて分かりやすく見せることです。月に1回は、みんなを集めて勉強会を開いています。その中で、なぜそうしたルールをつくったのか、1つひとつ理由を丁寧に説明しています。
斎藤:日本人スタッフとの間でトラブルはありませんか。
吉田:トラブルはないですが、気を抜くとお互いに疑心暗鬼になる面もあるので、社員間のウエットコミュニケーションを大事にしています。例えば、社員旅行やバーベキューパーティー、野球見物など、なるべく全社員が参加するようにしています。イベントは僕がすべて仕切るんですよ。
1人ひとりの名前とプロフィールや趣味などを書いたパンフレットを作り、それぞれのキャラを生かせるようなゲームやイベントを用意します。例えば、普段はおとなしいけど、カラオケで歌わせたらすごいとか、各人の得意をみんなに教えて、ウエットなコミュニケーションを促進しています。テレビ局時代に宴会部長だったので、その経験が生きています(笑)。
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斎藤 祐馬
トーマツ ベンチャーサポート事業統括本部長 1983年愛媛県生まれ。慶應義塾大学を卒業後、2006年にトーマツに入社。2010年にトーマツ ベンチャーサポートを事実上立ち上げた。公認会計士でもある。
※トーマツ ベンチャーサポートは、2017年9月1日より「デロイト トーマツ ベンチャーサポート」に社名変更しました。
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