税理士が語る、経営者が知るべき経理・総務のツボ(第95回)ボーナスで節税。ただしここに注意

業務課題 経営全般 資金・経費

公開日:2023.12.22

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(2024.6.17更新)

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングが発表した「2024年夏のボーナス見通し」によると、民間企業(調査産業計・事業所規模5人以上)の2024年夏のボーナスの1人当たり平均支給額は「40万8770円(前年比+2.9%)」となり、3年連続の増加と予想されています。

 夏のボーナスの平均支給日は、大企業や製造業が6月中旬から7月上旬、中小企業やサービス業が7月上旬から中旬となっています。ボーナスの査定期間は、前年10月から当年3月までの業績や勤務態度をもとに行う企業が多く、企業によって異なるようです。

 税務職員をはじめ国家公務員の夏のボーナス支給日は、法律で規定されている6月30日です。2024年は6月30日が日曜日であるため、直前の金曜日に支給されます。査定期間は前年12月1日から当年5月31日です。

定額減税の恩恵も

 今年は6月から定額減税が始まり、1人当たり所得税3万円、住民税1万円の合計4万円が減税されます。対象は納税者本人だけでなく、扶養家族も含まれます。扶養家族とは未成年の子ども、パートやアルバイトをしている家族であれば、合計所得額が48万円以下(給与収入のみであれば103万円以下)の人をさします。定額減税は、6月の給与だけでは満額の減税ができない場合、夏のボーナスでも同様の手続きが行われます。2024年夏のボーナスの1人当たりの平均支給額は前年比+2.9%の増加が見込まれますから、定額減税の恩恵も加わり手取り額が上がったという実感があるかもしれません。

 通常の社員へのボーナスは、労働協約または就業規則に定めていれば、経営状況が悪化した場合などを除いて毎年決まった時期に支給します。一方で「決算賞与」は、企業の業績に応じて金額を決定します。臨時ボーナスのため、必ず決算期に支給するものではありません。

 ボーナスは経費として扱うことができ、法人税を計算する上で、売り上げから差し引けます。つまり企業は節税につながるわけです。例えば9月決算法人で今期の売り上げアップが見込まれ、その恩恵を社員にも十分に享受してもらいたいなら、業績に応じてボーナスの支給額をプラスアルファする方法があるのです。社員のモチベーションアップにつながる可能性があり、会社は節税が図れたとなれば一石二鳥です。

決算が近く、もうかっているなら「決算賞与」という方法も…

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