税理士が語る、経営者が知るべき経理・総務のツボ(第107回)お歳暮を経費で落とすためのポイント

業務課題 経営全般 資金・経費

公開日:2024.10.21

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 2024年もすでに10月。今年も残すところ約2カ月となりました。この時期になると、お歳暮選びが年の瀬の恒例行事の方も多いのではないでしょうか。会社なら、お歳暮を贈ったらすべて経費で落とせると思っている人も少なくないと思いますが、経費として落とすにはいくつかの条件があります。

「交際費」で落とすためには

 会社で支出するお歳暮にかかる費用は、運送代を含め原則「交際費」として扱います。税務上の交際費は、「得意先や仕入れ先その他事業に関係のある者に対し、接待、供応、慰安、贈答などの行為のために支出する費用」であり、会社の規模により一定額以上、もしくはすべてを経費として落とすことはできません(損金不算入)。つまり税法上の交際費は、「仕事上で付き合いのある人に対するおもてなし」といった意味合いになります。

 交際費を損金算入できる額は、企業規模で異なります。会社の規模は①資本金が1億円以下の法人、②資本金が1億円超100億円以下の法人、③資本金が100億円超の法人、と資本金額で分けられ、それぞれの区分によりどこまでを経費に計上できるかが定められています(詳細は「個人事業主、小さな会社の納税入門(第27回)」参照)。

お歳暮は消費税の課税対象

 さて、購入したお歳暮ですが、その消費税は原則課税対象です。しかし、商品券やプリペイドカードなどを購入し、お中元・お歳暮として贈った場合は、消費税が非課税となります。消費税は8%、10%の複数税率ですが、お歳暮で飲食関係の物を贈った場合、軽減税率制度が適用されるのでしょうか?

 軽減税率は、通常の消費税率は10%ですが飲食料品などに限って8%になる仕組みです。ただし、アルコールは軽減税率の対象ではありません。お歳暮でビールとおつまみのセット商品を購入したとすると、消費税率はどのようになるのでしょうか。

 ビールは酒類なので税率10%、おつまみは食品なので軽減税率8%です。酒類とは酒税法で定められているアルコール分1度以上の飲料をさします。飲食料品とは、食品表示法で定められている「食品」をさします。食品衛生法に規定する「添加物」も含まれますが、「医薬品」「医薬部外品」「再生医療等製品」は除きます。つまり、ナッツやピーナツのおつまみ、その他すべての食品は軽減税率の対象となります。

 では、酒類と食品がセットで販売されているお歳暮の消費税はどのように計算されるのでしょうか。

「一体資産」か否かが判断ポイント…

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