「べっぴんさん」のヒロインは、若手女優の芳根京子さん演じる板東すみれ。彼女のモデルとなったのは、高級ベビー服・子ども服店「ファミリア」の生みの親の一人・坂野惇子(ばんのあつこ)さんです。ファミリアは神戸・元町で創業した日本における子ども服メーカーの草分け的な存在です。
ランチメニューを提供しているのは、神戸港の中突堤にあるホテルオークラ神戸。坂野さんは、同ホテルが神戸に進出して開業した1989年以来、仕事でもプライベートでも、よく利用していたと言われています。
ファミリアの本店は、長らく創業の地・神戸市中央区三宮町にありました。南北に通じる緩やかな坂道「トアロード」と三宮センター街の角地で、上品な華やぎを放つ子ども服がショーウインドーを飾っていたのを覚えている人も多いかもしれません。
その後、ファミリア本店があったビルは阪神・淡路大震災で倒壊。現在の本店は、少し離れた元町商店街へ移っています。三宮町のビル跡地には新たな商業施設ができましたが、現在は閉店。そこで10月5日から「神戸別品(べっぴん)博覧会」が、2017年5月7日までの7カ月間開催されています。
“別品(べっぴん)”とは、特別に良い品という意味。神戸別品博覧会では、地元企業やアーティストらが共同で企画した商品の展示や即売が行われています。
現在、手作り茶筒の老舗「開化堂」とゴーフルで有名な洋菓子店「神戸風月堂」がコラボした、茶筒にマロングラッセを詰めたひと品などを販売しています。ほかにも日本酒の生産地として知られる灘五郷の日本酒メーカー「白鶴酒造」やシューズメーカー「アシックス」、アパレル通販の「フェリシモ」などが博覧会に参画していますから、今後どんな商品が増えていくのか期待が膨らみます。
桃花林で味わう「神戸べっぴんさんランチ」
さて、ホテルオークラ神戸が提供している「べっぴんさんランチ」は、館内の中国料理レストラン「桃花林(とうかりん)」で味わうことができます。
桃花林は、1962(昭和37)年のホテルオークラ東京開業時、ホテルのレストランとしては初めて広東料理を採用。日本人の舌に合う中国料理を目ざしてきたそうです。
ホテルオークラ神戸の桃花林も、その伝統を受け継ぎ、辛さを控えめにした奥深い上品な味付けが特長です。坂野さんもその味を好んでいたことを背景に「べっぴんさんランチ」が誕生。坂野さんがよく注文したという料理をメインにした7皿のコースメニューです。
コースは冷製盛り合わせやスープから始まり、「鶏肉の唐揚げ マヨネーズソース添え」「三種飲茶盛り合わせ」などが並びます。メイン料理は坂野さん好みの9品から3品を選んで味わえます。その9品である「小海老のチリソース煮」「麻婆豆腐」「酢豚」「牛肉細切りとピーマンの炒め」「干し海老と春雨の煮込み」「キクラゲと青菜の炒め」「茄子の醤油煮込み」「牛肉と玉子のやわらか炒め」「鶏肉と生姜の甘酢漬けの炒め」はどれも非常に魅力的。選ぶのに苦労してしまいますね。
デザートは、坂野さんが「特にお気に入りだった」(同ホテル)という「レモン豆腐」など5品を盛り合わせる楽しいひと皿。メニューは2017年3月まで2カ月ごとに更新していくということなので、ドラマの進展に合わせて、何回も楽しめそうです。
中国料理「桃花林」
〒650-8560 神戸市中央区波止場町2-1
「ホテルオークラ神戸」3階
JR・阪神「元町」東口より徒歩10分
各線「神戸三宮」「三ノ宮」よりシャトルバスあり
メニュー提供時間=11時30分~14時30分(予約可能)
078-333-3526