出張で楽しみたいおひとり様グルメ(第21回)姫路生まれの御座候が育てた隠れ名物・ジャンボ餃子

雑学

公開日:2018.01.23

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 北は北海道~西は広島という広いエリアで、デパ地下を中心に回転焼きの実演販売ショップを展開している「御座候(ござそうろう)」。回転焼きは地方によって、「今川焼き」「大判焼き」「太鼓(たいこ)まん」など、さまざまな呼び名があります。同社では社名と同一の「御座候」が看板商品です。

 今回訪れたのは同社創業の地で、全国のショップに供給する「あん」工場がある兵庫県姫路市。そして、御座候ブランドには隠れ名物「ジャンボ餃子」があります。お店で食べられるのは、実は姫路市内の3店舗だけ。年始のおひとり様グルメはここからスタートしましょう。

御座候(回転焼き)の実演も行っている御座候FESTA店

時間のないビジネスパーソンも安心の駅近店舗へ

 姫路駅は、新幹線と在来線4路線、山陽電鉄線が接続。兵庫県南西部の中心都市・姫路市の玄関口になります。国宝であり、世界遺産の姫路城で有名な土地柄ですが、市を支えているのは観光よりも、ものづくり。ものづくり産業の総合的な指標である工業統計表「製造品出荷総額等総額」(経済産業省)では国内ベスト20に入る都市だけに、ビジネスパーソンが出張で訪れる機会も比較的多いといえるでしょう。

 さて、お目当ての「ジャンボ餃子」は、御座候本社工場の併設店のほかに、駅前のデパート・山陽百貨店の地下と、地下街・グランフェスタの一角にあります。駅近の2店舗はいずれも徒歩で数分ですが、今回は見つけやすいグランフェスタ5番街にある御座候を訪れました。

地下街・グランフェスタのエントランス

創業から半世紀以上、企業努力から生まれたジャンボ餃子

 同社の創業は1955年。当初の御座候は、回転焼きやぜんざいなどを提供する姫路駅前の甘味喫茶店でした。創業間もなく売り出した回転焼きの価格は1つ10円。人工甘味料が幅を利かせていた時代に本物の白砂糖を使うなど競合店の倍額もする高級品でしたが、値打ちの確かさを意味する「廉価」を打ち出して評判を呼び、飛ぶように売れたということです。

 いつしか客の間で屋号の御座候が回転焼きの代名詞として使われ始め、その名が定着したことから、同社では回転焼きを御座候の商品名で売り出します。1959年には30個を一度に作る焼き台を5台並べた実演ショップを初めて開き、これが大当たり。

使用する小豆は北海道・十勝産。御座候は店内で焼き上げる

 手応えを得た同社はその後、実演ショップを国内各地で展開していくことになりますが、課題になったのが小豆の安定的な確保。小豆は豊作と不作を繰り返す作物で、年によっては必要な量の確保が難しくなるばかりか、投機的な売買で価格の乱高下に見舞われることもあります。看板商品だけに頼っていては、企業として安定した収益の確保が難しいという事情がありました。

 そこで経営の安定を図ろうと同社が取り組んだのが、御座候を補う新たな商品や業態の開発です。ソフトクリーム店やケーキ店、ピザショップ、高級ステーキ店、ファミリーレストランといったさまざまな新業態への挑戦を次々に繰り返す中で、今に残るメニューの1つがジャンボ餃子です。

 なお現在は、北海道・十勝産の高級小豆を安定的に確保できるようになり、新たな商品や業態の開発は一段落といったところですが、看板商品の上にあぐらをかくことなく企業努力を惜しまなかった同社の姿勢に思いをはせてみるのも、年初めのおひとり様グルメにはふさわしいのではないでしょうか。

店内でタネを手ぐるみ、出来たての味…

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