出張で楽しみたいおひとり様グルメ（第28回）残暑に活！神戸っ子が推したいカツ丼「吉兵衛」

　吉兵衛は神戸市内のほか大阪や西宮にもあり、本店を含めると現在9店舗で営業中。特に本店は人気で、三宮駅、元町駅、旧居留地かいわいに近いという立地も相まって、ピーク時にはビジネスパーソンが行列をつくります。

　食材・レシピは9店舗共通なのですが、創業者で三宮本店の名物店主だった上林勉さんの存在が伝説化し、三宮本店で味わうカツ丼は「また格別」といわれるほどなのです。

　上林さんの愛称は、ヒゲおやじ。眼鏡をかけ、口ひげを蓄えた大柄な人物で、黙々と厨房のガス台に向かい、次々と通るオーダーをものともせず、素早い手つきでいくつもの平たい親子鍋を振る姿が印象的だったそうです。それでいて、客の顔もよく覚えてくれていたとのこと。味に加え、こういった温かさなどがあり、本店最強伝説が誕生したのかもしれません。

　なお、上林さんは2016年3月、そっくりな風貌の二代目・守さんらに後を譲り、惜しまれながら厨房を引退しています。

[caption id="attachment_23104" align="aligncenter" width="420"] 15時台でも満席。昼時には行列ができる三宮本店[/caption]

夏バテ気味なら試したい！「冷」カツ丼

　猛暑の記録を塗り替えた今年の夏は、夏バテにも要注意です。そんなときのオススメが、夏季限定の「ひやだしかつ丼」（並盛／750円）。玉子とじかつ丼とは異なり、揚げたてのトンカツにしょうゆ風味の甘いタレ「甘だれ」がトロリとかかっています。

[caption id="attachment_23095" align="aligncenter" width="420"] 塩昆布をトッピングした「おこぶのひやだしかつ丼」（並盛／800円）[/caption]

　そのままでもおいしそうですが、ほどよく冷えたカツオだしをとっくりからたっぷりと注ぎ、薬味のゆずコショウを溶かしながらサラサラとかき込むのが「ひやだし」のスタイル。

　提供期間は、毎年7月限り。しかし残暑の厳しい年には期間を延ばして提供してきたことから、今年の提供は9月上旬までを予定しています。吉兵衛ならでは・夏ならではの味わいをこれから楽しみたいという人には朗報です。

[caption id="attachment_23096" align="aligncenter" width="420"] だしをかけ回して、お茶漬け風に味わう[/caption]

　冷たいといえば、忘れてはならないサイドメニューもあります。神戸っ子の学校給食で定番のデザート「とくれん」（100円）です。とくれんとは、神戸市教委が徳島県の業者から買い入れている冷凍オレンジゼリーの愛称。給食では、流通の過程でほどよく解けた半解凍で配られるのが常でした。店頭でも、同じく半解凍のシャリシャリ食感で提供してくれます。

[caption id="attachment_23097" align="aligncenter" width="525"] (左写真）昔懐かしい「とくれん」オレンジゼリー（100円）、(右写真）半解凍のシャリシャリ感が味わえる[/caption]

　吉兵衛の企業スローガンは「活丼」。カツ丼を日々の活力にしてほしいという願いが込められています。活力の源になる「食」をいただき、暑さをカツ丼パワーで乗り切りましょう！

※文中にある金額はすべて税込価格です
※価格は店舗により異なります

 

かつ丼 吉兵衛
https://www.yoshibei.co.jp/
三宮本店
神戸市中央区三宮町2-11-1
センタープラザ西館地下1階飲食街A-22
JR・阪神「元町」東口より徒歩7分
各線三宮交通センタービルより徒歩6分
10:30～19:00
センタープラザの休館日は店休
078-392-4559