外回りが心地よい季節。元号が「令和」へと移り変わる今、皇居周辺の美しい景色をテークアウトで楽しんでみませんか。今回ご紹介するのは、皇居外苑の南に広がる日比谷公園の中、持ち帰りや手土産に「いなり寿司」をオーダーできる店です。
目的の「KAMOS hibiya」は、2019年3月20日に日比谷公会堂脇でオープンしたばかり。「食卓をつなぐ」をテーマに地域の食文化を発信する、九州・福岡で人気のグローサリーショップ「&LOCALS」のプロデュース店に当たります。店名の「KAMOS」は文字通り「醸す」から。イートインはもちろんテークアウトも可能です。物販も併設し、いわば食のセレクトショップといえるでしょう。
最寄りは都営三田線「内幸町駅」。歴史的建築物の「市政会館・日比谷公会堂」を回り込んだ先に「KAMOS hibiya」がある(左写真)、公園の緑と共生しているような「KAMOS hibiya」の店構え(右写真)
ランチタイム限定の「おいなりランチ」は見た目も味も楽しい
店前ではためく「おいなり」ののぼりに釣られて、テークアウトの「おいなりランチ」(788円)をオーダー。4種類の「おいなり」が各種1つずつ、ドリンクは7種類から1種類を選ぶセットメニューです。
キャンディー包みのおいなりさんは、季節限定も含め全4種類(左写真)、包みを開いたときのわくわくも、楽しみの1つ(右写真)
「旅するおいなり」と題されたかわいい「おいなりさん」。この日のラインアップは写真上から「基本のじてんしゃおいなり」、「福岡県添田町 木耳柚子胡椒おいなり」、「福岡県英彦山 林檎と蜂蜜おいなり」、「熊本県八代 生姜と金胡麻おいなり」の4種類でした。
早速、「基本のじてんしゃおいなり」をパクリ。ごぼうの風味や歯応えが良く、甘さ控えめであっさり味の油揚げがご飯と具材を引き立てます。昭和2年に開催された島原半島一周自転車競争大会を契機に、雲仙で広まった郷土食を「じてんしゃ飯」といい、それをベースに仕上げているそう。福岡県英彦山の麓で育てられたお米を長崎県橘湾のイリコ(カタクチイワシ)と地元の乾燥野菜を酢で混ぜ合わせるといった具合に、徹底して地域の食材にこだわっています。
すべて味や具材が異なる食べやすいおいなりさんとあって、残りの3つを早々に平らげました。店長いわく、「基本のじてんしゃおいなり」以外は季節に合った具材を混ぜ込むため、季節やイベントなどに合わせ新しい種類が登場する予定だそう。今度はどんな地域の味巡りができるのだろうかと、今から楽しみです。
趣のある店内は居心地が良く、コンセント席もあり重宝。くつろぐならテーブルのある2階席へ
イートインでゆっくり休んでいくなら、おいなりさん2つとドリンクのセット(540円)がオススメ。こちらのセットは、その日のおいなりさんが完売しない限り、ランチタイム以外でも楽しめます。
すべてのおいなりさんには「まさ子さんの万能酢」と名付けられた酢が使われています。「このお酢、スライスした野菜を一夜漬けしただけでも、とってもおいしいですよ」と、薦められたピクルスを食べてみました。ツンととがった所がなく、酸っぱ過ぎず甘過ぎない、丸みのある酸味。野菜のみずみずしさが強調されうま味が口中に広がります。すでに福岡の「&LOCALS」では人気が沸騰しているというこの万能酢は、ここでも購入可能です。
大人気「まさ子さんの万能酢」は大918円・中594円・小345円
澄んだだしに丸ごとイリコがたっぷりの「いりこうどん」…
この日は、おいなりさんと並ぶ、人気イートインメニュー「いりこうどん」も食べてみました。
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喉越しが良く、ツルツルっと食べられる平麺がいい[/caption]
上にのった丸のままのイリコが目を引くシンプルなうどんですが、それだけに味のごまかしが一切ありません。トッピングのイリコは、夜通し漁をして夜明けにおなかの中がきれいな時間帯に漁獲するため、臭みや苦味を感じることなく頭からガブッといけます。この「朝ぼらけイリコ」を使用した天然だしは、透き通っているのにしっかりとした味わいです。このイリコは「基本のじてんしゃおいなり」と同じく、雲仙の天洋丸から直送されており、鮮度抜群です。
麺は、福岡県うきは市の製麺所「長尾製麺」の細身の手延べうどん。そうめんのようにツルツルと喉越しが良く、不ぞろいの麺がいいあんばいでだし汁に絡みます。胃腸をいたわりたかったり、カルシウム不足を感じていたりするビジネスパーソンにうれしいメニューですね。いりこうどんは今のところ日比谷店限定メニューで、単品で756円、おいなりさん2個セットは1026円です。
いりこうどんを半分ほど味わったら、添えられた石引のとても希少な福岡県添田産「柚子胡椒」で、味の変化を楽しんでみましょう。少し加えただけで、味の奥行きがグッと広がります。だし汁には溶かず、イリコにちょっと付けて食べるのもいいですよ。
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深みのあるだし汁に爽やかな「柚子胡椒」がよく合う![/caption]
福岡の「&LOCALS」や、「KAMOS hibiya」をプロデュースしているのは、建築やインテリアを手がけるデザイン会社。オーナー自らが縁を結んだ地域の生産者と共に商品開発した品々が店頭に並べられています。パッケージや置いてある説明書きも、おしゃれなだけでなく読み応えがあり、1つひとつ手に取ってみたくなるものばかりです。
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1階の物販コーナーには、こだわりの品が並ぶ(左写真)、テークアウトもイートインも、その日の気分で気軽に立ち寄って(右写真)[/caption]
※文中にある金額はすべて税込み価格です
※掲載している情報は、記事執筆時点(2019年4月)のものです
KAMOS hibiya
東京都千代田区日比谷公園1-2
平日:8:30〜19:00/土曜・祝日:10:30〜18:00
休日:日曜
03-3591-1023
地下鉄日比谷線「内幸町駅」より徒歩1分
東京メトロ丸ノ内線「霞ヶ関駅」より徒歩4分
東京メトロ日比谷線・千代田線「日比谷駅」より徒歩4分
JR線「新橋駅」より徒歩13分
<インスタ>@kamos_andlocals
※休日の変更もあり、最新情報はインスタで確認
※平日は田舎おむすびと味噌汁のセット(1個432円、2個540円)販売もあり
※おにぎり、おいなりの取り置きは電話でも可能、多数注文の場合は前日予約を