「大相撲1月場所」が開催される両国国技館は正月明けににぎわう場所の一つ。相撲観戦中にテレビに映る晴れ着姿のご婦人たちには、日本らしい新年の華やかさが感じられます。そんな余韻に浸りつつ、新年最初のランチは、相撲部屋から生まれた「ちゃんこ鍋」ランチを探しに両国駅へ。見つけたのは、東京両国で40年以上秘伝の味を守り続ける「ちゃんこ巴潟(ともえがた)」の日替わり十両ちゃんこ880円。お手軽に本格的なちゃんこが味わえます。
雰囲気から楽しめるちゃんこ専門店
江戸東京博物館や両国国技館があるJR両国駅西口から、国技館通りを国技館とは逆の南方面へ。左手に両国ビューホテルを見ながら、その先2本目の道を左に曲がります。すぐに「ちゃんこ巴潟」と書かれたノボリと看板が見えます。
1階正面奥が受付カウンター
暖簾(のれん)をくぐった正面のカウンターで受け付けを済ませ、案内に従って2階のテーブル席へ。店内の壁には番付や力士の手形、書などが飾られ、まるで相撲博物館のようです。大相撲の巡業の余興などで披露されるはやし歌「相撲甚句」が流れ、相撲ファンならずとも、食べる前からワクワクと気分が盛り上がります。この雰囲気には、当日来ていた外国人も喜んでいる様子でした。
満足度が高い、日替わり「十両」ちゃんこ
ランチでいただけるちゃんこメニューは「横綱」「大関」「関脇」と名付けられた本格的な昼会席のコース(各4950円/3850円/3300円)と、気楽な「日替ちゃんこ鍋定食」の「小結」「幕内」(各2090円/1375円)。そして、平日向けに「十両」(880円)というお値打ち鍋定食があります。
今回の目的は、この平日限定で食べられる十両ちゃんこ。日替わりで味や具材が変わり、近所のビジネスマンやママ会でも大ウケといいます。訪れた日は、しょうゆ味の「鳥みぞれちゃんこ」でした。正月明けの弱った胃腸の働きを助けてくれる大根下ろしと、鶏肉がたっぷり入った鍋です。
おひとり様でも土鍋で!外回りの寒さを忘れる温かさがうれしい
鍋の蓋を取るとふわっと湯気が立ち上り、具材もぎっしり。餅が入っていて、図らずも新年の気分に。餅には少しおこげがあり、香ばしい!鶏肉から染み出た油とだしが絡み合い、餅をかみしめるたびに奥行きのあるうま味が楽しめます。
この日の名脇役は、よく伸び、食べ応えのある餅
雪に見立てたみぞれ下ろしの大根と鶏肉がこれまたうまい!大ぶりにカットされた鶏肉ですが、しっかり火が通っている上にジューシーです。白菜にしいたけ、油揚げ、ごぼう、えのきなど、たっぷりの具材が煮込まれ、香りのよいゆずがアクセントになって食べ飽きません。
昼会席のちゃんこは大鍋ですが、日替わりちゃんこは小ぶりな一人前の土鍋で提供してくれるため、おひとり様でも最後まで冷めることなく食べられます。温かい鍋と箸休めの小鉢を行きつ戻りつ、スープの一滴まで余すことなくいただきました。
日替わりで味と具材が変わるから一期一会の楽しみがある
土日なら、小鉢が増える「幕内」を…
土日の来訪や、平日でも少しグレードアップするなら日替ちゃんこ鍋定食の「幕内」(1375円)がオススメです。こちらは、十両に副菜とデザートをプラスした豪華版で、時間が許す限りランチタイムをゆっくり楽しみたいという方にもってこいの定食です。
[caption id="attachment_30581" align="aligncenter" width="400"]
昔ながらのコロッケと温泉卵が追加された定食「幕内」[/caption] [caption id="attachment_30582" align="aligncenter" width="400"]
食事の締めに口の中をさっぱりとしてくれるデザート付き[/caption]
スープで季節を感じる店
[caption id="attachment_30583" align="aligncenter" width="400"]
新館4階には席料1000円で予約できる特別個室があり、会食も対応できる[/caption]
「ちゃんこ巴潟」は、「巴潟」というしこ名で活躍した9代目の友綱親方が、1976年に両国の友綱部屋跡に創業した店。2名掛けのテーブル席から座敷席、特別個室までそろい、ランチから会食利用まで幅広く重宝できそうです。
「ひとつ上の満足」をスローガンに掲げて季節ごとに食べやすいスープの味を吟味して提供しており、この姿勢は手軽な日替わりちゃんこでも変わりなく、数カ月ごとにちゃんこの種類を変えるなど、いつ訪れても楽しめる工夫をしているといいます。
「親方と弟子が親しく囲んだちゃんこならではの、心の温かさも味わってほしい」と店長。「ただ鍋を味わうだけでなく、ちゃんこの話から店内の展示物についても気軽に聞いてください。どうしても対応できない時間を除いて対応しお話を聞きますよ」と、アットホームな接客が評判を呼んでいる様子です。
ただし、場所中のランチ訪問には注意が必要とのこと。相撲観戦後に訪れる人が多く、オープン直後でも入れない可能性があるそうです。そのため、場所中に訪れるなら2000円以上の料理から可能な電話予約が鉄則。定食は「小結(2090円)」を頼みましょう。
初めて訪れても、とてもくつろげる雰囲気のちゃんこ巴潟。次の出張は、心も体も温まる「ちゃんこ」を食べに行ってみませんか。
[caption id="attachment_30584" align="aligncenter" width="400"]
新館4階の入り口には、魁皇の化粧まわしが飾られている[/caption]
※文中にある金額はすべて税込み価格です
※掲載している情報は、記事執筆時点(2020年1月)のものです
ちゃんこ巴潟
東京都墨田区両国2-17-6
◆JR両国駅から徒歩3分
・営業時間
平日/11:30~14:00、17:00~22:30(L.O 21:30)
土日祝/11:30~14:00、16:30~22:30(L.O 21:30)
・定休日
年末年始のみ(6~8月は月曜定休)
◆予約はWebサイトまたは電話で
https://www.tomoegata.com/
03-3632-5600
※2000円以上から予約可能(場所中は必ず予約を)