桜の見頃の季節ですが、今年の東京はまだ例年通りとはいかないようで、花見スポットには立ち入り制限がかけられている所も少なくありません。とはいえ、密を避けて歩きながらでも、ゆっくり花をめでる時間くらいは持ちたいですね。
そこで今回は、都内の桜の名所として知られる赤坂サカスの周辺にあって、のんびりと過ごせる店へと出掛けてみましょう。
例年3月から5月にかけて、さまざまな桜の開花が楽しめる赤坂サカス
東京メトロ千代田線「赤坂」駅、東京メトロ銀座線・丸ノ内線「赤坂見附」駅から歩いて約5分、飲食店が林立するエリアを抜けた閑静な場所に「赤坂 転石亭 HANARE」の看板を見つけました。赤坂サカスの敷地内を通る桜の並木から北側へ少し外れた場所にあり、今の時期は春めく気分に浸りながらアクセスできます。
通りで控えめに光る「転石亭」の看板が目印
地下階に続く階段脇で今日のランチメニューを確認。月曜から金曜まで異なる「今週の日替わり膳」(1000円)と名物「海鮮タルタル丼」(1000円)、贅沢海鮮タルタル丼(1500円)、そして「四季の彩り弁当“春味”」(1000円)の4種類あるようです。ランチのご飯はコシヒカリ、かつ大盛り無料と大判振る舞いです。日替わり膳にそそられましたが、やはり、四季の彩り弁当“春味”をいただくことにしましょう。割烹(かっぽう)らしい上品な雰囲気にワクワクしながら、店内へと向かいます。
ランチ激戦区の赤坂にあって、値打ち以上の満足感が味わえる
階段を下りた先にくつろぎの空間が広がっている
調理場と一体になったカウンターは奥行きがありゆったり座れる
「春夏秋冬」季節を味わう彩り弁当
扉を開けた先のフロアには、調理場とカウンター、半個室のテーブル席があります。案内に誘われるまま席につくと、思った以上に余裕のある空間ですっかり気持ちがほぐれていきました。
四季の彩り弁当“春味”は、春を感じさせる9つ仕切りの松花堂御膳です。見た途端に「わぁ」っと、声が漏れるくらい心が躍りました。おかずは見ての通りで盛りだくさん、彩りあふれる構成に感激です。調理場に立つオーナーは、大きな日本料理店の料理長の経験もされた和食一筋の達人だとお聞きしました。
華やかな器に盛られ、少しずつがうれしい「四季の彩り弁当“春味”」
「季節に合わせた旬の味を詰め込み、お客さまを飽きさせない工夫をしています」とランチの御膳にも、そのこだわりを忘れません。ご飯は炊きたてのコシヒカリ、添えられたおわんの豚汁も麦味噌を使って手間暇かけた一品。じっくり煮込んだ汁とあって、野菜に味がしっかり染み込んでいます。
コロナ禍の中で生まれた新しい味…
「四季の彩り弁当」は、実は今だからこそ生まれた御膳だそうです。「コロナ禍でお客さまが減り時間ができた時、そのままの料理を続けるだけでなく、今までやってみたかったことに挑戦するよい機会だと前向きに気持ちを切り替えました」とオーナーは語ります。
これまでも、もてなしの心で続けてきた転石亭のスタイルですが、コロナ禍の中ではお客さまをただ待っているだけではなく、引きつける店にしなければと改めて気付かされたと話します。その結果、昨年の秋に、季節感をふんだんに反映した楽しい御膳を生み出しました。今や1週間のうち、ランチ目当てに2度、3度と訪れるなじみ客ができるほど、人気の御膳になりました。これから、春以降も夏、秋、冬と、季節が巡るごとにどんな旬の味を食べられるか、考えるだけでも楽しみですね。
[caption id="attachment_39587" align="aligncenter" width="400"] 「芝海老しんじょのたけのこはさみ揚げ(上)」と「ぶりの山椒照り焼き(下)」。歯ごたえが良いたけのこに挟んだえびしんじょの天ぷらや、厚いぶりがボリュームたっぷり。れんこんの飾り切りやふっくらとした煮豆で、めでたい春を感じさせる[/caption]
[caption id="attachment_39589" align="aligncenter" width="400"] 「新じゃがの桜煮(上)」と「鶏むね肉と山菜浸し(下)」。ほんのりピンクに色付けされたクリームソースや桜えびで、料理がパッと華やかに[/caption]
[caption id="attachment_39591" align="aligncenter" width="400"] 「本日のお刺身(上)」と「豚の柔らか煮 鶯餡(下)」。この日のお刺し身はサーモン。桜形の薄切り大根と山菜、煮豚の上には花びらにかたどった百合根(ゆりね)をあしらい花見の春を表現。豆の味がしっかりするうぐいすあんと煮豚の味の供宴もグッド[/caption]
[caption id="attachment_39593" align="aligncenter" width="400"] 「季節の茶碗蒸し(上)」と「菜の花の玉子焼き(下)」。あさりのだしがよく利いた茶わん蒸しは具だくさんでうま味にあふれた一品。軽やかな玉子焼きが箸休めに最適[/caption]
[caption id="attachment_39594" align="aligncenter" width="400"] 「甘味」。若草色のわらび餅は、目にも舌にも優しい抹茶味[/caption]
個室もあるので、商談にもおすすめ
店内はカウンター席、半個室風の4人掛け席のほか、人数に合わせた個室もあるため、少人数でのランチミーティングや商談にも重宝します。空気清浄機が置かれ、落ち着いた上質な個室での話し合いは、周囲を気にせず会話もしやすそうです。
[caption id="attachment_39595" align="aligncenter" width="400"] 個室料は不要ですが、希望の場合は電話で予約を[/caption]
桜の名所で東京の桜を満喫して
おいしい料理と時間を満喫したら、腹ごなしを兼ねて、赤坂周辺を散策して帰りましょう。「赤坂サカス」は、3月に咲き始める「河津桜」から5月上旬に咲く「兼六園桜」まで約2カ月、桜の花に包まれる、都内でも有名な桜の名所です。「サカス坂」「さくら坂」と名付けられた起伏のある坂道を中心に、敷地内には約100本の桜が植えられています。今年の開花は例年よりも早まっているようですが、転石亭を訪れながら桜の季節を満喫してください。
[caption id="attachment_39596" align="aligncenter" width="400"] 仕事のリフレッシュに美しい桜の園へ[/caption]
[caption id="attachment_39597" align="aligncenter" width="400"] 春をめでる赤坂の“春味”。「赤坂転石亭」でぜひ、味わってみて[/caption]
※文中にある金額はすべて税込み価格です
※掲載している情報は、記事執筆時点(2021年3月)のものです
[ 赤坂 転石亭 HANARE ]
東京都港区赤坂4-3-15 FSK赤坂ビルB1
03-3584-3373
◆東京メトロ千代田線「赤坂」駅から徒歩4分、東京メトロ各線「赤坂見附」駅から徒歩6分、永田町駅から徒歩8分
◆営業時間
ランチ [月〜金] 11:30~14:30(L.O.14:00)
ディナー [月~土] 17:30~23:00(L.O.22:00)(※現在、土曜は予約のみ)
※閉店時間は20時までに変更中。
(都の条例通りとなるため、お問い合わせください)
◆定休日/日・祝
一休:https://restaurant.ikyu.com/114048/