ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2019.05.23
今年の1月10日からユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が、AI(人工知能)が入場料を決める変動価格制を導入した。需給に応じて価格を柔軟に変える仕組みだ。収益アップと観客動員数増をめざすこのシステムは「ダイナミックプライシング(DP)」と呼ばれる。数年前から米国で導入され、日本でもさまざまな分野で実証実験や導入が始まっている。DPには多様な条件を想定しなくてはならないが、今どきのDPはAIを使って価格を決める。
DPはJリーグの名古屋グランパス、横浜F・マリノス、プロ野球の福岡ソフトバンクホークスなどが採用し、一定の効果を得ているという。こうした試合チケットでのDPでは、収益アップのほか、近年問題となっているチケットの転売も防ぐ。
旅行や宿泊料金では、昔からおなじみの話だ。連休や休前日には高めの価格、平日や日曜日、休日後はお値打ち価格なのは誰もが知るところ。格安旅行ツアーの多くは、人の少ない時節を狙ったものだ。
この仕組みを大人気のテーマパークで取り入れた、という話である。平日など人の少ないときに料金が安くなるのはありがたいが、休みの取りやすい連休や土日には価格が上がる。メリットとデメリット、さらに今後の動向について考察してみたい。
先の10連休、USJは最も混雑が予想される4月28日~5月5日、1日券(1デイ・スタジオ・パス)を8900円という過去最高額に設定した。10連休の初日と最終日に当たる4月27日と5月6日は8200円。ちなみにDP導入前の価格は、一律7900円だった。
ところが過去最高額にもかかわらず、USJが大盛況なのをTVニュースは伝えた。指定のアトラクションに、待ち時間を短縮して乗れる「エクスプレス・パス」(有料、内容により料金は異なる)も人気だった。USJによれば、入場者の動向に大きな変化はなかったという。
USJは、DPの導入を「多様なゲストのニーズへの対応と繁閑差の平準化、パーク体験価値の向上を目的」としている。USJでは、1日券や年間パスなどに数種類の価格帯を設定(例えば1日券は7400円、8200円、8700~8900円)。シーズンや日ごとの繁閑による需要に基づき、日別に価格を設定する。設定価格は4カ月先までチェックでき、購入が可能だ。
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執筆=青木 恵美
長野県松本市在住。独学で始めたDTPがきっかけでIT関連の執筆を始める。書籍は「Windows手取り足取りトラブル解決」「自分流ブログ入門」など数十冊。Web媒体はBiz Clip、日経XTECHなど。XTECHの「信州ITラプソディ」は、10年以上にわたって長期連載された人気コラム(バックナンバーあり)。紙媒体は日経PC21、日経パソコン、日本経済新聞など。現在は、日経PC21「青木恵美のIT生活羅針盤」、Biz Clip「IT時事ネタキーワード これが気になる!」「知って得する!話題のトレンドワード」を好評連載中。
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