ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2019.11.22
米グーグルが10月23日(現地時間)、量子コンピューターの「量子超越性」を実証したと発表。論文は英ネイチャー誌に掲載された。世界最高のスーパーコンピューターで1万年かかる計算を、たったの200秒で解いたという。量子超越性とは、量子コンピューターが従来型のコンピューターを追い越し、成り代わるニュアンスだ。
このニュースで世界は騒然となり、IBMの反論(後述)も話題になった。中でも大きく取り上げられたのは、ビットコインの価格の急落だ。以前から量子コンピューターがビットコインを滅ぼす、といわれていた。実際、グーグルの発表を受けて、ビットコインは約5カ月半ぶりの低水準となった。
従来のコンピューターは、情報をオン(1)とオフ(0)のいずれかを表す「ビット」を基本単位とし、0と1で構成された2進数ですべての計算をする。これは電圧のオン・オフを切り替えて行われる。現在、コンピューターで扱うテキストも写真も音声も動画も、すべてのデータが0と1でできている。
こうした従来のコンピューターは一度に0か1、どちらかの値1つしか示せない。だが量子コンピューターは、量子力学という物理の力を利用し、値を「重ね合わせ」、同時に2つ以上の値を表せる。飛躍的にポテンシャルの高い計算が可能となるというのだ。
かつてスーパーコンピューターで行っていた計算が、今はスマホでできてしまう。ただし、0と1のビットで表す基本原理には変わりはない。量子コンピューターの登場で、とんでもない革新が起きる。
今回、最先端の従来型スーパーコンピューターで1万年かかる計算を、グーグルが開発した53量子ビットを持つ「Sycamore」(シカモア)プロセッサーは、200秒で計算した。この計算力は天文学的というか、想像を絶する値だ。
例えばこのところ、社会に普及しつつあるAI。囲碁やオセロで人間を打ち負かすが、ビッグデータを分析して未来を描き出したり、近々起こる災害を予測して被害を未然に防いだり、学習や経験を積み人間の代わりになったりするには、今のコンピューターでは追い付かないといわれている。さらに、IoT、高精細・高ビットレート方向のメディアの現況を考えるに、従来のコンピューターでは性能が頭打ちな面もある。
\ かんたん入力で登録完了 /
執筆=青木 恵美
長野県松本市在住。独学で始めたDTPがきっかけでIT関連の執筆を始める。書籍は「Windows手取り足取りトラブル解決」「自分流ブログ入門」など数十冊。Web媒体はBiz Clip、日経XTECHなど。XTECHの「信州ITラプソディ」は、10年以上にわたって長期連載された人気コラム(バックナンバーあり)。紙媒体は日経PC21、日経パソコン、日本経済新聞など。現在は、日経PC21「青木恵美のIT生活羅針盤」、Biz Clip「IT時事ネタキーワード これが気になる!」「知って得する!話題のトレンドワード」を好評連載中。
【T】
IT時事ネタキーワード「これが気になる!」