強い会社の着眼点(第19回)
古いルーターはリスクフル!買い替えポイントは?
公開日:2023.12.13
NTTドコモが法人向けのスターリンクサービスを提供するというニュースが先般流れた(詳細はNTTドコモのニュースリリース「衛星ブロードバンドインターネットサービスStarlink Businessを提供開始」を参照されたい)。スターリンク(Starlink)は、イーロン・マスク氏が率いるスペースX社が行う衛星通信インターネットサービス。基本的に地球のどこでも、光回線並みのリアルタイムな大容量通信を実現し、2022年10月から日本でもサービスが開始されている。
これまでも衛星通信インターネットサービスは、静止衛星または周回衛星を利用、広域性、同報性、耐災害性などの長所を生かし、地形上、通信の確保が難しい地域の通信回線確保や非常災害時など緊急時の通信手段として活用されてきた。
冒頭で触れたリリースでは、NTTドコモは「法人向けの衛星ブロードバンドインターネットサービスStarlink Businessを、2023年内を目途に提供開始する予定」と発表し、「本サービスを活用することで、お客さまのさまざまなご利用用途やニーズに合った、お客さまに魅力あるサービスおよび最適なソリューションを提案」するとしている。また、「企業や自治体のお客さまにおいては、本サービスを災害時のバックアップ回線としてご活用いただくことで、事業継続性を高めることができます」という。
確かに、現在ポピュラーなインターネットブロードバンドサービスである光回線は、物理的な「線」であるため停電や故障、災害などで回線が使えなくなるリスクを常に抱えている。衛星通信サービスなら電源さえあれば通信回線がいつでも使えるため、バックアップ回線として衛星通信を備えておくに越したことはない。
その他にも、「山間部の建設現場における遠隔監視ソリューションや、農業をはじめとする一次産業向けのIoTソリューションの導入が可能となり、さまざまな分野におけるDXの進展が期待できます」とし、「本サービスの提供エリア内(日本の領海内)であれば、海上での高速データ通信も可能」だという。場所を選ばずに高速回線が使えるため、DX活用の幅が大きく広がる。しかもさまざまなソリューションを手掛けるNTTドコモが行うため、ソリューションとセットで活用できるのはうれしい点だ。KDDIやソフトバンクはすでに法人向けのスターリンク回線サービスを提供しており、NTTドコモがそれらに続くこととなる。
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執筆=青木 恵美
長野県松本市在住。独学で始めたDTPがきっかけでIT関連の執筆を始める。書籍は「Windows手取り足取りトラブル解決」「自分流ブログ入門」など数十冊。Web媒体はBiz Clip、日経XTECHなど。XTECHの「信州ITラプソディ」は、10年以上にわたって長期連載された人気コラム(バックナンバーあり)。紙媒体は日経PC21、日経パソコン、日本経済新聞など。現在は、日経PC21「青木恵美のIT生活羅針盤」、Biz Clip「IT時事ネタキーワード これが気になる!」「知って得する!話題のトレンドワード」を好評連載中。
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