インターネットが普及した現代において、メールやチャットをビジネスに用いることは珍しくありません。しかし、対面で行う営業と、メールやチャットのようにテキストだけで情報を伝達する営業では、勝手が違ってくるものです。
そこで今回は、メールなど文章を用いた営業を行うときにどのような文章を作るのがよいのか、顧客のメールにどのような対応をするべきなのかについて、詳しく解説します。
メールのほうが顧客のニーズを分析できる
対面営業とメール営業には、それぞれメリットとデメリットがあります。対面営業は、顧客の表情や声のトーンなどから様子が把握でき、服装など外見で印象を操作することも可能です。しかし、商談中はリアルタイムで進行していくため、ゆっくりと考える時間は取れません。
一方、メールやチャットは表情や外見や声などから判断はできませんが、情報がテキストとして残っているため、内容の整理や伝達を言葉よりも正確に行うことができます。また文章を書いた顧客が何を考えて、どんな要望を持っているのかをじっくりと考えられます。
メールでのやり取りは履歴としてすべて残るため、いつでも商談内容を確認できるのもメリットの1つだといえるでしょう。商談が長引いた際、顧客からのメールを並べて分析すると、顧客が何を求め、どのようにしてほしいかが明確になってきます。…
対面営業の場合はリアルタイムで話が流れていくため、長引いてしまうと営業側、顧客側双方ともに状況を明確にまとめるのは困難です。そのため、顧客のメールから直接的な要望だけでなく「Aという要望があるのなら、Bという課題もあるのでは?」という関連性のある質問を箇条書きにして、それぞれの解決手段を合わせて提案すると、新たな商談につながる可能性も高くなります。
対面・非対面に関係なく、箇条書きを使った課題の共有、解決方法の提示は、顧客側も目で確認できるため、理解しやすいのです。また、商談がメールであれば時間に縛られず、疑問や不満、問題点など、納得いかない部分などを遠慮せず徹底的に掘り下げることができます。
とはいえ、メールだと対面と比べると信用度が劣ってしまうのも事実です。テキストは情報の整理や伝達がしやすい半面、人の感情面にはあまり良い影響を与えません。どちらかに偏るのではなく、対面とメール両方を活用して営業活動や商談を効率的に進めていくのが、感情面、効率面ともに一番理想的なスタイルといえるでしょう。
あえて○○を使ってみよう
メール営業の際に有効なのが、あえて「“!”や“?”などの感嘆符を使う」ことです。
基本的にBtoBのやり取りにおいては、メールから相手に信頼感や誠実さなどの印象を与えるために、感嘆符を使わないほうが無難ではあります。しかし、だからこそ相手の目に留まる工夫にもなり得ます。担当者によっては、無難な文章より感嘆符などで多少崩した文章のほうが好まれる場合もあります。
特に相手が既存顧客で、既に対面で話したことがあり、ある程度打ち解けている場合は、メールの一部に感嘆符を織り交ぜることで、親近感を与えることができます。顧客と距離を縮めたいという場合は、こちらから感嘆符を付け、積極的にメールを送ってみましょう。
その結果、顧客からは無難な文章が返ってきたなら、その顧客とはビジネスメールの形式で対応するほうがよいでしょう。原則としては顧客と同じスタンスの文体でやり取りするのがベターです。また、顧客の役職が自分より上位の役員などの場合は、失礼と受け取られてしまう恐れもあることを留意しておいてください。
「人と人とが対面するのが営業の基本」という考えを持っている営業の方は多いかもしれませんが、実は「わざわざ面会するのは面倒くさい」と考えている顧客には届きません。むしろメールのほうが、都合がよい顧客も多いはずです。アプローチの1つの手段として考えてみてはいかがでしょうか。