セキュリティ対策虎の巻(第6回)セキュリティーカメラは保存から活用の時代へ

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公開日:2017.02.15

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 防犯カメラといえば倉庫や駐車場、道路、市街地などに数多く設置されている。その目的は、窃盗、車上荒らし、不法投棄などの犯罪抑止にある。さらには犯罪が起こった際の捜査資料や裁判の証拠としての役割も大きい。

 その効果は統計に表れている。警察庁が2017年1月に公表したデータによると、2016年に検挙した刑法犯罪のうち、防犯カメラなどの映像が容疑者の検挙につながったケースが5.9%に上ったことが明らかになった。2016年、全国で起きた刑法犯罪は99万6000件あまりで戦後初めて100万件を割ったが、警察庁ではその要因の1つとして防犯カメラの普及を挙げている。

カメラの進歩で大きく広がる活用領域

 防犯カメラ普及の背景にあるのは、カメラの技術進歩と価格低下だ。鮮明な映像が得られる小型カメラが増加して、かなり手軽に設置できるようになっている。犯罪が起こりやすい暗い場所でも、犯人の姿や特徴を正確に捉えて、犯人逮捕や犯罪抑止に大きな効果を上げている。

 さらに防犯カメラの設置目的が多様になったことで、設置場所のバリエーションも広がっている。従来は出入り口のチェックが主流だったが、それ以外の場所に取り付けるケースが急増中だ。例えば、飲食店の店内。360度見渡せる特殊なカメラを1台取り付け、店員の動きや接客態度、レジの操作といった店舗内の全体の状況を記録する。そしてその映像を、犯罪防止だけでなく、店員の接客指導や来店客のクレーム分析に活用したりする。

 工場で生産ラインにカメラを取り付けるケースも出てきている。作業現場を記録することで、異物混入などのミスを発見したり、作業工程の非効率な部分を把握し生産性向上につなげたりできる。

 介護施設では、玄関など人が出入りする場所だけでなく、食堂や遊戯スペース、リビングなど生活スペースにカメラを設置するケースが増えている。入居者の様子を詳細に知ることができ、トラブルの際にも迅速な対応が可能になるなど多くのメリットがあるからだ。

ネットワーク対応でさらに高度な活用を実現…

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執筆=高橋 秀典

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