新規事業に挑戦!(第8回)物事を世の中に広めていくことが日本一得意な会社

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公開日:2016.11.14

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 前回までは、企業をプロデュースする事業の事例などを中心にまとめてきました。第4回は、平川社長の生い立ちと原風景を紹介します。独立1年目の年商はわずか1万4000円だったプロフィット・ラボラトリーの成長を支える考え方の源泉に迫ります。

高校時代の担任の一言で奮起、起業に向けて突き進む

 平川社長は千葉県柏市で生まれ育ちました。「典型的なサラリーマン家庭で、父は中堅メーカーの会社員、母は専業主婦だった」といいます。そんなごく普通の家庭で育った平川社長ですが、高校生のときにITベンチャーブームが起こります。

 「特にハングリー精神があったわけでもなく、今考えると不思議なのですが、そのときに経営者になろうと思ったんです。やはりお金持ちになるには社長になるしかない、みたいな不純な動機でしたね(笑)」と平川社長は振り返ります。

 そして進路希望の用紙に「経営者になる」と書いて提出したところ、担任の教師に呼び出され、怒られたといいます。「おまえは家族や親戚に経営者はいるのかと聞かれ、いないですと答えたら、経営者になんてなれるわけないだろう、書き直して来いと言われたんです」。

 担任教師のこの言葉が、平川社長の心に火を付けました。「何くそ、絶対経営者になってやる!と思いました」と話す平川社長は、そこから必死に勉強して、早稲田大学の商学部に合格しました。第一志望は商学部、第二、第三志望は早稲田大学のそれ以外の学部だったそうですが、商学部だけ受かり、他は全て落ちたといいます。

 「今思えば、そのときから今のビジネスにつながるような、少しずらすことを意識していたのかもしれません。商学部に焦点を当てた勉強だけをしていたんです。また、商学部は文系なのですが、国語・社会・英語の文系科目で受験するとライバルが多いため、あえてずらして数学で受験しました。

 子どもの頃からそういう特性を持っていました。コンピューターゲームのRPGが好きだったのですが、いかにレベルを上げていくかをめざすのではなく、いかにレベルの低い状態でクリアできるかを狙うような楽しみ方をする子どもでした」

 大学卒業後、将来の起業を見据え、お金の流れが見える仕事に就こうと考えた平川社長は、地方銀行に就職します。しかし、ルーティンワークに耐えられず、1年で退職。事業を起こす決意をして、2006年6月、プロフィット・ラボラトリーを設立しました。ところが、「勢いで起業したのはいいけど、最初は全く食べていけなかった」とのこと。立ち上げた当初の事業は、スポーツ施設の予約仲介業でした。…

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執筆=森部 好樹

1948年佐賀県生まれ。東京大学を卒業後、旧日本興業銀行に入行。香港支店副支店長などを経て興銀証券へ出向。ビックカメラで取締役を務め、2002年、格安メガネチェーン「オンデーズ」を設立し社長に。2007年共同広告社に移り、2008年同社社長に就任。2013年に退社して独立し、顧問業を専門とする会社、ロッキングホースを創業。現在代表取締役。

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