新規事業に挑戦!(第16回)オンライン旅行市場の成長を追い風に東証一部へ

販路拡大

公開日:2017.09.11

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 インターネットやスマートフォンの普及により、オンラインでの旅行予約のニーズが高まっています。2兆円を超えるといわれるオンライン旅行市場の追い風を受け、成長を加速させているのがエボラブルアジアです。

 オンライン旅行事業、訪日旅行事業、ベトナムにおけるITオフショア開発事業、投資事業の4つの事業を柱として、アジアを舞台にしたビジネスを展開しています。2016年3月31日には東京証券取引所マザーズ市場への新規上場、2017年3月31日には東京証券取引所第一部へ市場変更を果たしました。

【社  名】 株式会社エボラブルアジア
【事業内容】 オンライン旅行事業、訪日旅行事業、ITオフショア開発事業、投資事業
【設  立】 2007年5月
【本  社】 東京都港区愛宕2-5-1 愛宕グリーンヒルズMORIタワー19階
【資 本 金】 1,028,598千円(振込資本1,862,195千円)
【従業員数】 約828人(連結)*2017年8月時点

国内航空キャリアグループすべてと直取引し、多様な販売チャネルを持つ

株式会社エボラブルアジア
代表取締役社長
吉村英毅(よしむら ひでき)
1982年生まれ。東京大学経済学部経営学科卒業。経営管理と金融工学を専攻。大学在学中にValcom(2009年10月、旅キャピタルに吸収合併)を創業。07年、旅キャピタルを共同創業し、代表取締役社長に就任。13年10月に社名をエボラブルアジアに変更。16年3月、東証マザーズに上場。17年3月、東証一部へ市場変更。

 エボラブルアジアの営業利益のうち、約8割を占めているのがオンライン旅行事業です。主に国内航空券をインターネットで販売しており、国内線のウェブ販売では最大手です。

 オンライン旅行事業におけるエボラブルアジアの強みは3つあります。

 1つは国内航空キャリアグループすべてと直取引があるため、国内全航空会社グループの全券種を取りそろえることができることです。

 2つ目は多様な販路です。一般ユーザーだけでなく、法人企業の出張手配や旅行会社へのOEMでのコンテンツ提供、提携会社への国内航空券の提供をしております。法人企業は一度契約するとほとんどの会社がリピートで利用するため、ストックビジネスとなっています。

 3つ目がシステム開発における強みです。エボラブルアジアは後述のシステム開発リソースをベトナムに持っていますが、その中に自社開発部隊もあり、約50人のエンジニアが働いています。販売サイトのサービスをブラッシュアップさせる際には必ずシステム開発が必要になります。ベトナムに開発部隊を抱えることで安価で速いスピードでの対応が可能になっています。

 日本人を対象とするオンライン旅行事業に対し、日本に旅行に訪れる海外旅行客を対象にしているのが訪日旅行事業です。現在、日本を訪れる旅行客は年間2000万人ほどですが、政府は2020年までに倍の4000万人にまで増加させるという目標を発表しました。今後の市場の成長とともに、事業拡大を狙います。当事業として民泊関連サービスへの参画も表明しました。

 これらの旅行事業の売り上げが伸びている理由は、航空会社が増え、特にLCC(格安航空会社)が人気となり、一般ユーザーから横断検索ニーズが高まっているからです。そのニーズに対して同社販売サイトでは国内全航空会社グループの航空券を比較検索できるという強みがあります。

2016年3月、東証マザーズに上場を果たした際の様子(中央が吉村社長)

オリジナルの「ラボ型」システム開発が特徴…

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執筆=森部 好樹

1948年佐賀県生まれ。東京大学を卒業後、旧日本興業銀行に入行。香港支店副支店長などを経て興銀証券へ出向。ビックカメラで取締役を務め、2002年、格安メガネチェーン「オンデーズ」を設立し社長に。2007年共同広告社に移り、2008年同社社長に就任。2013年に退社して独立し、顧問業を専門とする会社、ロッキングホースを創業。現在代表取締役。

【T】

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