あなたの会社では1週間に何回くらい会議を開いているだろうか。ほとんどの会社で、経営会議や部門会議、拠点の責任者が集まる支店長会議など、さまざまな会議が行われている。
会議を開催するにはコストがかかる。例えば、支店や営業所など多くの拠点を持つ場合、会議のたびに本社に移動する時間が取られ、交通費もかかる。このコストを削減するための手段として、テレビ会議や音声会議の活用が考えられる。
出席者に配付する資料も会議のコストといえる。誤解のないように言えば、資料が不必要なわけではない。会議のためにわざわざ紙で印刷・配付するコストの削減を考えたい。自分が出席している会議を思い起こしてほしい。営業会議では売り上げ報告などが記載された会議資料を参加者の人数分コピーして配付する。会議終了後、その資料はどうなるか。参加者が各自持ち帰ってファイルに保存することも多い。だが、それが増えれば、保存スペースの問題などから結局はシュレッダーにかけられてしまう。紙の会議資料が「資源の無駄遣い」になることを認識すべきだ。
資源の無駄遣いに加え、紙の資料配付には、紛失などによる情報漏えいにつながるリスクも潜んでいる。情報漏えいの要因として紙媒体が最も多いという調査報告(※)もある。
参加者10人・毎週1回でムダを試算…
紙の会議資料においては、作成する業務の手間も無視できない。会議資料を集め、参加人数分を印刷したり、コピーしたりする手間。なんとか資料ができたと思った後にも、「報告する数字の記載を間違えた」「最新データに変更したい」などの理由から会議の直前になって資料の一部を差し替える手間が発生することも。こうした物理的な作業の手間とコストは少しでも減らしたい。
例えば参加者10人で毎週1回、年間に52回の会議を行った場合のコストを試算してみよう。資料の枚数は平均40枚とする。そのコピー代だけでも年間12万4800円となる。1回の会議に使う紙資料が少なかったとしても、年間にすると山のような紙資料がたまるのだ。これに印刷作業に関わる人件費も含めれば、金額はさらに膨れ上がる。
ペーパーレス会議で効率化
こうしたコスト削減のためのソリューションとして、紙の会議資料の配付に替えて、ペーパーレスで会議が行えるシステムが各種提供されている。ファイルサーバーなどに保存したデータ(資料)をノートパソコンやタブレットで参照しながら会議が行える。わざわざ紙に印刷する必要はなく、急な差し替えにも対応できる。また、必要に応じて過去の会議資料もファイルサーバーから取り出して表示可能だ。事前の印刷作業が必要な紙の会議資料より使い勝手も良くなる。
日ごろ、「もっとコスト削減に努めよ」と従業員にハッパをかける経営者は多いが、まず紙の会議資料を見直して、ペーパーレス会議システムの導入を検討してはどうだろうか。
※NPO 日本ネットワークセキュリティ協会「2015年情報セキュリティインシデントに関する調査報告書【速報版】」(2016年6月17日)図4:漏えい媒体・経路別の漏えい件数)