ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
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公開日:2018.11.14
学校教育の指導基準として定められている「学習指導要領」。2016年に改訂された方針に基づく教育が、いよいよ2020年度からスタートする。その屋台骨を支えるICTについても、新たな活用推進に向けた動きが本格化してきた。今後見込まれる変化とは、どのようなものなのだろうか。
「詰め込み型」から「ゆとり教育」への転換(1998年)、そして「脱“ゆとり”」(2008年)へと、学習指導要領はおよそ10年に1度のペースで改訂されてきた。日本の教育全体の方向性を決める重要な指導基準だ。中央教育審議会(中教審)の答申を経て2016年に改訂された新要領では、「小学校での外国語教育」や「プログラミング教育」といった目新しい取り組みに注目が集まっているが、ICTのさらなる活用も特徴だ。まず、新学習指導要領の基本的な考え方を紹介しよう。
新学習指導要領の考え方では「主体的・対話的な深い学び」の実現をめざす。「アクティブ・ラーニング」という言葉を聞かれた方も多いだろう。これまで教員から児童、生徒に向けて一方的に行われていた教育を、双方向型の対話の積み重ねに変える。そのためにはパソコンなどの情報機器の活用が効果的だ。文部科学省は学校でのICT活用を強力に推進する姿勢を前面に打ち出しており、それが改訂内容にも表れている。
社会の情報化が急速に進む中で、未来を担う学生に対する情報教育やICT活用の重要性は年々高まっている。新学習指導要領では、情報活用能力を言語能力と同様に「学習の基礎となる資質・能力」と位置付け、各教科を横断的に支える存在として捉える。情報活用能力の育成を図る取り組みとしては、各学校においてコンピューターやネットワークを活用するための環境の整備が明記された。
具体的に示すと、これまで主にコンピューター教室で行っていた情報教育を、他の授業と同様に普通教室で行えるようにする。現在、学習用のパソコンはほぼすべての学校に配備されているが、全員がさまざまな教科で専用教室を使うのは物理的に不可能だ。中教審の調べでは、2016年度の教育用コンピューター1台当たりの児童・生徒数は、全国平均で6.2人/台という状況にある。
新要領に沿った授業を行うために、文部科学省の整備目標である「3クラスに1クラス分程度の学習者用コンピューターの配備」への対応が必須だ。速やかなパソコン導入や、ネットワーク整備が求められる。全国の教育委員会はそのための予算、人員を確保するために頭を悩ませている。
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執筆=林 達哉
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