ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2017.03.15
今回は、第5回で解説した歴史的変遷の「近代(「戦後」以降)」の部分を引き継ぎ、女性の立場・権利を法律的な観点から説明していきます。
下表のように、まず女性に関係する主な法律や諸策を、戦後以降時系列にまとめました。終戦以降女性の立場がどのように守られてきたか、あるいは守られてこなかったかが、法律を通してより具体的に分かるように示しました。
経営者にとって重要な「男女雇用機会均等法」や「育児・介護休業法」については改めて説明しますので、ここではどのような流れで女性にまつわる法改正が進んできたのかを大まかに確認しておいてください。なお成立・公布・施行が同年中ではない場合は、節目となる(大改正などが行われた)年で表しています。
この年表は、女性労働者に関する法律の中でも、特に重要なものだけを抜粋・整理したものですが、それだけでも数多くの法律が頻繁に改正されていることが分かります。最近では、「保護対象を同居している交際相手にまで拡大」した「改正DV防止法(2014年1月施行)」や「メールやSNS等でのつきまとい等も規制対象」にした「改正ストーカー規制法(2016年7月改正)」が記憶に新しいところではないでしょうか。
女性を保護するためのさまざまな法律がありますが、特に「育児・介護休業法」や「男女雇用機会均等法」といった法律は、労働者のライフスタイルや生き方の多様化や家族の形のあり方(核家族化・二世帯住宅・一人暮らしの老人の増加等)、社会情勢の変化(長寿命化・限界集落や過疎化地方の増加・少子超高齢化等)や働き方の多様化(正社員・派遣社員・期間労働者・パート・アルバイト等)など、社会全体の変化を受け、非常に頻繁に改正が行われています。
改正が多く行われているということは、すなわちその法律や関連する対象者が現代社会にとって重要であるということ、あるいはそれまでの法律や企業のあり方に大きな不備があるということの裏返しでもあります。どの法律が、いつどれくらいの回数改正され、どのような内容が追加・拡充されたかを見ると、労働者にまつわる問題点が浮かび上がってきます。もしかしたら、法律の改正を通して現在あなたの会社が抱える問題点や改善策が見えてくるかもしれません。
またこれらの法律の中には労働者のみならず、企業に対する義務規定や努力義務、罰則や助成金といった経営者に直接関係のある要素を含む改正も数多く存在しています。
近年増加傾向にあるトラブルの1つに「経営者が改正“前”の法律を把握・順守していたため、現行の法律の違反行為に気付かず処罰される」というものがあります。
専門家や専門部署を抱える大企業ならいざ知らず、人員や企業規模に限界がある中小企業にはよく見られるトラブルです。うっかりミスであっても、違法行為をした企業に対しては勧告や罰金、企業名の公表といった厳しい処分が下されます。「改正が多過ぎて気付かなかった」ということのないように、特に重要な法律に関しては経営者自らが積極的に学び、理解しておくよう心がけましょう。
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執筆=坂本 和弘
1975年栃木県生まれ。経営コンサルタント、経済ジャーナリスト。「社員の世代間ギャップ」「女性社員活用」「ゆとり教育世代教育」等、ジェネレーション&ジェンダー問題を中心に企業の人事・労務問題に取り組む。現場および経営レベル双方の視点での柔軟なコンサルティングを得意とする。
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