ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2017.09.20
前回は、最近では当たり前のように使われている「ワーク・ライフ・バランス」という考え方が、実は「女性の育児支援」からスタートし、そこから年月を経て徐々に意味合いが変化してきたことを紹介しました。それはすなわち、女性力活用を考える上で「ワーク・ライフ・バランス」という考え方は欠かせないということを意味します。
しかし、日本ではその歴史の浅さ故に単なるバズワードとして流してしまう経営者も少なくなく、米国に比べ、その言葉の重みや認識は非常に軽いものになっているのが現状です。
現代日本では、「ワーク・ライフ・バランス」は一般的に「仕事と生活との調和」と訳されており、「仕事と生活(ライフスタイル)のどちらか一方の価値を追い求めるのではなく、(男女を問わず)労働者(国民)1人ひとりが仕事と生活のバランスを保ちながら『仕事にやりがい、生活に生きがい』を同時に感じられるような働き方・生き方を模索する」という意味で扱われています。あるいは、単に「仕事と生活を両立させる取り組み全般」という広い解釈で使われることもあります。
しかし、もしあなたが経営者、あるいはそれに準ずる管理職の立場にいる場合は、ここでいわれている認識や理解だけでは不十分です。なぜなら、上記の説明はいわゆる労働者・一般的な国民側の立場から見た説明にすぎないからです。
これを経営者・使用者側の立場から見ると、経営者が認識しておくべき「ワーク・ライフ・バランス」の内容は以下の2点になります。
内容的には「仕事と生活のバランスを取ること」で一致していますが、最後の部分が「自身がそういう生き方を志し、実現すること」なのか、「そういう生き方や働き方を望む労働者に、それらを実現させられる環境や選択肢を提供すること」なのかで大きく異なっています。
にもかかわらず、一般的な解釈(単なる概念や志)で満足している経営者は少なくありません。「ワーク・ライフ・バランス」の実現に取り組んでいるのにその成果があまり見られない会社があるとすれば、その取り組みが「単純な福利厚生の充実」「社内体制のグローバル化のアピール」「対外的な目を気にした企業のイメージアップ」といった名目で行われる表面的なパフォーマンスにとどまっている可能性を考えなくてはいけません。
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執筆=坂本 和弘
1975年栃木県生まれ。経営コンサルタント、経済ジャーナリスト。「社員の世代間ギャップ」「女性社員活用」「ゆとり教育世代教育」等、ジェネレーション&ジェンダー問題を中心に企業の人事・労務問題に取り組む。現場および経営レベル双方の視点での柔軟なコンサルティングを得意とする。
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