パソコンが動かない、印刷ができない、業務システムにつながらない……。オフィスITにまつわるトラブルは、完全にゼロにするのは難しい。いつ起こるかも予測しにくい。日常のスムーズな業務を支えるオフィスITは、トラブルが長引くと会社の業務そのものに多大な影響を及ぼす。自然災害などが発生したときに事業を継続する方策として、BCP(事業継続計画)を立案する企業は少なくない。だが、オフィスITのトラブルに対してもリスク対策を施しておくことは重要だ。
そんなニーズに応えるサービスの代表が、NTT西日本の「オフィスプライムサポート」だ。同社はこれまでも「オフィスネットおまかせサポートサービス」として、パソコンや周辺機器の操作、設定、トラブルなどを1つの窓口で受け付け、サポートするサービスを提供してきた。
オフィスITの環境を調査し、現状把握
オフィスITのリスク対策といわれても、何から手を付けたらいいか判断が難しいだろう。第一歩は、オフィスITの機器や構成、環境の現状を把握し、記録に残すことだ。パソコンやタブレットなどの端末、印刷やFAX送受に使う複合機、ファイルを蓄積するNAS、ネットワークを構成するスイッチやルーター、外部とつなぐ通信回線、セキュリティを確保するUTM(統合脅威管理)装置……「どのメーカーのどの機種が、どのようにつながって、どう使われているか」といった基礎データがないとトラブル時にすぐに対応できない。
すなわち、オフィスITのリスク対策を考える上で、第一歩としてやるべきは、「オフィスIT環境の現状把握」である。オフィスITの現状把握といっても、継続的に実施するのは容易ではない。たとえ中小企業であっても多様な機器が連携し、入れ替え、新規導入、ソフトやアプリのバージョンアップなどが異なるタイミングで行われる。実態を正しく把握し続けることが重要だ。把握した情報も、従業員の属人的な管理では、その従業員が異動したり退職したりすれば引き継ぎが徹底しないリスクがある。
このように、オフィスITのリスク対策は「第一歩」の段階でも、中小企業にとっては負担が大きく、頓挫する可能性がある。それを乗り越える手段の1つがアウトソーシングだ。オフィスIT環境の現状を可視化し、管理や修繕などの状況も記録していく“ITの調査記録”を作成して、維持管理を行うサービスを利用する方法だ。
オフィスITを可視化するサービスたくさん…
こうしたアウトソーシングサービスは、さまざまな企業が提供している。それを利用すれば、少なくとも常に「正常に動いていた状態」は把握でき、トラブル対応がスムーズになる。IT担当者の異動があっても、知見やノウハウが引き継がれ、リスク対策としての継続性も維持される。
アウトソーシングサービスの活用で、オフィスITの状態を常に把握していれば、トラブルが起きたときにも、まずシステム構成から調べるといった無駄な時間が減る。初動対応が、迅速にスタートする。しかし、次のハードルとして、その初動対応が適切にできるかどうかが中小企業には待ち受ける。トラブルの原因の把握、切り分けといった復旧業務には、それなりの専門知識が必要だ。それを備えた人材が不足している企業は少なくない。
オフィスITの現状把握に続いて、トラブル対応もアウトソーシングするのが中小企業にとっては良さそうだ。具体的には、トラブル発生を報告して解決を依頼する“ヘルプデスク”の用意や、現場への駆け付けといったトラブル対応を専門家にアウトソーシングする。そして、現状把握と共にトータルで運用できれば、オフィスITトラブルリスクは、手間をかけずにかなり減らせるだろう。
中小企業のニーズに応える代表格。IT管理を一括で
中小企業のニーズに応えるといえば、NTT西日本のオフィスプライムサポートが挙げられる。同社は従来、オフィスネットおまかせサポートサービスとして、1つの窓口でパソコン、周辺機器の操作、設定、トラブルなどをサポートしてきた。その中には「リモートサポートツール」による遠隔操作支援も含まれる。これは、いわゆる日常の管理・運営も含めたヘルプデスク機能を提供するサービスだ。
オフィスプライムサポートはこのサービスに、現状把握の「ITリサーチ」サービスと、トラブル発生時の「ITエイド」サービスを組み合わせて提供する。
ITリサーチの作成サービスでは、ICT機器の現況調査から保守の手引書作成、機器や構成の変更に対応できる手引書管理を提供する。トラブル発生時に力になるITエイドでは、故障一元受付によるたらい回しをなくすワンストップ対応、障害の切り分け対応、そして故障取り次ぎや手配、駆け付けまでのサービスを提供する(※)。
※ サービスの対象はNTT西日本の指定機種に限る
●オフィスITのアウトソーシングサービスのポイント
こうしてオフィスITの運営、管理からトラブル対応まで、トータルでアウトソーシングすることで、“我が社のIT担当者”として活用できるようになる。人手不足の深刻化が予測される今後を考えると、中小企業がITに詳しい人材を社内に抱えるのは非常に難しくなる。トラブルなどのリスク対策はもちろん、いや応なく進むオフィスITの進化について行くためにも、こうしたアウトソーシングサービスの活用を検討するべきだろう。
※掲載している情報は、記事執筆時点のものです