ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2017.10.30
スマートフォンなどの無線通信方式が、「4G LTE」などといわれているのを耳にすることがあるだろう。「G」はジェネレーションの頭文字だ。移動体通信方式の世代を示す。NTTドコモの「Xi(クロッシィ)」、auの「4G LTE」、ソフトバンクの「SoftBank 4G LTE/4G」が4G、つまり第4世代だ。その先に来る第5世代である「5G」の時代の到来が、着々と近づいている。2020年、東京オリンピック・パラリンピックが開催される年を目標に、世界的に商用化への準備が進んでいる。
移動体通信方式の世代は、およそ10年ごとに変化してきた。1980年代にはアナログ方式の1G、1990年代にデジタル方式の2Gが登場し、2000年代は高速データ通信が可能な3Gへと進化した。
スマートフォンが主流になった現在は、3Gよりも周波数利用効率が高い4Gによって、動画や写真を駆使したSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)など、多量のデータをやり取りするサービスが支えられてきた。こうして見ると、2020年に5Gが始まろうとしていることは、自然な流れに感じられるだろう。次世代の無線通信方式は、新しい世界を切り開く可能性を秘めている。
多くの読者は「移動体通信方式の世代が上がると、データ通信速度が高速化する」のをご存じだろう。3Gが始まった頃は下り最大384kbpsで、それまでの2Gの数十倍も高速になった。4G(厳密には3.9G)のLTEが始まったときも、75Mbpsといった高速データ通信がユーザーへのアピールポイントになった。
現在、LTEが進化したLTE-Advancedのサービスでは、国内で1Gbpsに近い通信速度が実現されている。こうした流れは5Gでも引き継がれ、最速で20Gbpsといった超高速データ通信が目標になっている。
一方で、「そんなに高速になっても何に使うの?」という疑問を持つ方もいるだろう。4Kや8Kの超高精細動画を“無線で”受信して楽しむことはできそうだが、スマートフォンやタブレットのディスプレーサイズでは、そんなに超高精細な画像が必要かという問題もある。
実は、5Gでは高速化と並んで、複数の要件が掲げられている。5Gの要求条件は大きく3つのジャンルに分けられ、それぞれにさまざまなユースケースが想定されているのだ。1つは現状のモバイルブロードバンドの拡張で、高速化を進めるとともに、大容量の通信を実現できるようにする。
2つ目は超大量のデバイスによる通信への対応。IoT(モノのインターネット)の進展が見込まれる中で、多くのIoTデバイスが無線通信をすると考えられる。大量の端末の無線接続を可能にし、長距離で通信が可能で端末の電力を極力消費しない――といった無線通信を実現しようとしている。
3つ目は高い信頼性と低遅延の性能を求めること。無線通信を介した自動運転の実現や、遠隔手術のような遠隔地からの機器操作など、ミスが起きてはいけない用途での利用を想定する。
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執筆=岩元 直久
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技術TODAY