脱IT初心者「社長の疑問・用語解説」(第82回)
ブルーライト対策にはうな重?
公開日:2023.06.21
人口減少で人手不足が深刻化する中で、生産性向上のための働き方改革に大きな関心が集まっている。一方、働き手の大きな関心事は賃金の引き上げだろう。働き先の選択肢の幅が広がれば、より賃金の高いところで働きたいと思うのは、ある意味当然だと言える。実際に賃金引き上げを実施する企業も増えている。中小企業はこれをどのように受け止め、対応していくべきなのだろうか。
深刻な人手不足が続く中、最低賃金は徐々に引き上げられている。2023年現在の最低賃金は前年の改定によって全国加重平均で31円程度引き上げられ、1978年度以来最も高い水準になったとされる(併せて厚生労働省の「最低賃金」なども確認してほしい)。実際に賃金引き上げに踏み切る企業も多い。厚生労働省の「賃金引上げ等の実態に関する調査」によると、令和4年に一人平均賃金の引き上げを行う、あるいは引き上げると回答した企業は、全体の8割を超える結果となっている。
ただ、規模別に見ると5000人以上の企業では96.0%だが、規模が小さくなるにつれて賃金引き上げを行う割合は徐々に減少し、100人から299人では8割程度となる。また、業種によっても賃金引き上げの事情は異なる。賃金を引き上げる企業の割合が最も多いのが「学術研究、専門・技術サービス業」で95.7%、次いで「建設業」の95.4%、「医療、福祉」の95.2%と続く。逆に低いのは「運輸業、郵便業」「宿泊業、飲食サービス業」「生活関連サービス業、娯楽業」だ。地域差もある。例えば、前述した最低賃金で見ると、2022年度で最も高いのは東京都の時給1072円で、最も低いのは東北や四国、九州の一部と沖縄県の853円となっている。こうした企業規模、業種、地域に見られる賃金引き上げに対する取り組みの差は、結果的に企業の競争力の差にもつながる可能性がある。こうした課題を前に、私たちはどのような点を注視していけばよいのだろうか。
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執筆=高橋 秀典
【MT】
働き方再考