顧客対応でファンを増やす(第6回)美容サロン生き残りのカギは顧客管理にあり

業務・勤怠の管理 顧客満足度向上

公開日:2018.11.26

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 美容室の新規出店ラッシュが収まらない。競争が激しさを増している。厚生労働省のデータによると、この数年、美容室(美容所)数は毎年3000~4000施設ずつ増加。2017年度は24万7000件に達した。

 その一方、家計の美容サービスへの支出は増えていない。総務省の家計調査によると、2017年における1世帯当たりの理美容サービスの年間支出金額は3万3552円。2015年の3万3914円よりもわずかに減っている。

 市場のパイが大きくならない状況の中、店舗数の増加が続く。それは廃業への恐れへとつながる。店舗数の増加は年間3000~4000施設だが、これはあくまで開業数と廃業数の差にすぎない。実際は多くの美容室が廃業を余儀なくされている。

 競合店が増える中で生き残るためには、新規顧客の獲得も重要だが、既存顧客のつなぎとめ、リピートの増加が大きな経営課題となる。苦労して顧客を新たに獲得しても、1回だけでは経営状態は改善しない。既存顧客に、ヘッドスパなどのメニューをプラスして顧客単価をアップさせるのも、収益改善のポイントだ。

 美容サロンで新規顧客の獲得やリピート率向上のために、割引クーポンの配布が広く行われている。初回来店時の割引だけでなく、2回目以降の来店でも割引価格を適用しリピートを促す方法だ。これらは一定の効果は期待できるが、実際はサービス料金の値下げにすぎず、収益性の向上につながらないケースもある。それよりも重要なのは顧客満足度のアップだ。いくら料金が安くてもサービスに満足していない店に、顧客はリピートしてくれない。

顧客情報は美容サロンの最大の財産…

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執筆=山本 貴也

出版社勤務を経て、フリーランスの編集者・ライターとして活動。投資、ビジネス分野を中心に書籍・雑誌・WEBの編集・執筆を手掛け、「日経マネー」「ロイター.co.jp」などのコンテンツ制作に携わる。書籍はビジネス関連を中心に50冊以上を編集、執筆。

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