注目のAIソリューション(第3回)AIによるOCR。自動でテキスト化、高精度

自動化・AI

公開日:2019.12.25

  • PDF PDF
  • ボタンをクリックすることで、Myクリップ一覧ページに追加・削除できます。追加した記事は、「Myクリップ」メニューからいつでも読むことができます。なお、ご利用にはBiz Clipに会員登録(無料)してログインする必要があります。

 紙に書かれた文字を機械が読み取ってくれるOCR(光学的文字認識)。専用の装置やパソコンソフトなどでその存在は以前から知られる。実際に利用した経験のある方も多いだろう。ここで「ああ、OCRの話か」と諦めないでほしい。OCRは最近の人工知能(AI)の進化による成果を取り入れ、格段に性能が向上しているからだ。

 従来のOCRは、「活字で印字された書類であったり、丁寧に楷書で書かれた文書だったりすれば、まあまあ読み取ってくれるもの」というイメージだと思う。手書きだと、かなり壊滅的な認識結果に終わり、笑ってしまうこともあった。恐らく、実務では使いにくいという評価が下されているのではないか。

 ところが、AIの進化はOCRを実用的なツールに引き上げた。AIの中でもディープラーニングと呼ぶ技術は、これまで画像認識の分野で多くの成果を残してきた。多くの画像データを学習することで、人間や自動車、動物などの識別はもちろん、道路や建物などの画像から危険箇所を発見したり、医療画像から疾病の可能性を見つけたりし始めている。OCRでは、紙に書かれた「とある形」が、何の文字であるかを認識することに、AIの能力が生かされている。これまでOCRでは読み取れなかった文字が、AIを組み合わせて判読可能になった。実務でもOCRの活用が現実のものになってきている。

学習機能が付いたAI OCR、クラウドでデータを継続的に学習

 AI OCRの実用性が向上している理由は、ディープラーニングの技術発達だけではない。ディープラーニングでは多くのデータを使って学習した認識モデルによって、画像や文字を認識する。OCRでの利用を考えるとき、自社で書類を用意して学習させたモデルをつくるとなると、“進化”はそれ相応だろう。だがそれが100社、1000社と増えたらどうなるか。

 NTT西日本の「おまかせAI OCR」はクラウドサービスでAIを活用したOCRを提供する。あらかじめ多くの文字データで学習したモデル使った認識エンジンを利用するという、個社の学習が不要で高い精度の文字認識を“サービス”にしたのだ。自社だけでは集められない多くの文字、多くの帳票を学習しているので、高い精度の認識エンジンを利用できる。

 クラウドサービスの利点を利用して、事前の学習による高い認識精度だけでなく、多くの利用者が認識させた文字や帳票のデータを継続的に学習させる。認識エンジンを成長させていく点も、このサービスの特徴だ。当初は認識がうまくいかなかったクセのある文字も、人の目による修正のデータをAIが学ぶ。次はきちんと読めるようになっていく。

こんな文字が解読可、取り消し線は読まない…

続きを読むにはログインが必要です

\ かんたん入力で登録完了 /

会員登録3つのメリット!!

  • 最新記事をメールでお知らせ!
  • すべての記事を最後まで読める!
  • ビジネステンプレートを無料ダウンロード!

執筆=岩元 直久

【M】

あわせて読みたい記事

「自動化・AI」人気記事ランキング

連載バックナンバー

無料!おすすめのダウンロード資料

  • インボイス対応状況調査2022

    インボイス対応状況調査2022

    2023年10月1日に開始予定の「インボイス制度」。同制度は、課税仕入れ等に係る消費税額を控除する仕入税額控除のための新たな仕組みだが、企業においてはこれらに伴う社内システムの見直しなどが必要となります。本制度への対応状況について、企業はどのように準備をしているのだろうか。その最新動向について調査しました。

  • 企業のDX対応意識調査2023

    企業のDX対応意識調査2023

    データの利活用にとどまらず、デジタル技術を前提としたビジネスモデルの変革や経営革新の切り札として期待される「DX(デジタルトランスフォーメーション)」推進。企業はその対応に向けて何を進め、どのような点を課題に感じているのだろうか。こうした企業意識について調査を行いました。

  • 電子帳簿保存法対応調査2023

    電子帳簿保存法対応調査2023

    2022年に施行された改正電子帳簿保存法。その猶予期間が、2023年12月31日で終了となります。多くの企業にとって、インボイス制度(同年10月スタート予定)も鑑みつつ、本制度が定める電子取引データの電子保存などに対応するための準備が喫緊の課題となります。では、企業はどのように準備を進めているのだろうか。その最新動向について調査しました。

オンラインセミナー動画

  • 新着記事

配信日時

2025年1月10日(金)①14時00分〜15時00分 ②18時00分~19時00分

セキュリティ関連

【京都府警サイバー対策本部登壇!】企業を取り巻くサイバー攻撃の動向と対策